臨床から研究、そして教育へ やればやるほど、歯科衛生士は面白い!|クオキャリアの学校訪問《大阪歯科大学》

クオキャリアの学校訪問 記事一覧はこちら

先生紹介

大森あかね 先生

医療保健学部口腔保健学科 助教

おおもり あかね/博士(口腔科学)、日本口腔インプラント学会インプラント専門歯科衛生士/2020年に大阪歯科大学大学院医療保健学研究科修士課程修了、2023年に同博士課程修了。2021年より本学で助教を務めている。休日はバーベキューやキャンプなどアクティブに過ごすことが多い。

臨床から研究、そして教育へ やればやるほど、歯科衛生士は面白い!

経験を重ねたからこそ 見えてくるものがある

私が新卒で入職したのは、学生時代の実習先。その診療所一つに20年以上勤務し、歯科衛生士としてさまざまなことを経験しました。

当時としては珍しくインプラントを取り扱っており、入職当初は患者さんのほとんどが年上の方ばかり。大人との接し方がさっぱりわからず、「うんうん」と聞いてくれていた方が次に来たとき全然改善していないことにショックを受けたりして。患者さんとうまくコミュニケーションが取れるようになるまでには、その後も一筋縄ではいきませんでした。

大きな転機となったのは8年目のこと。スキルも上達し、歯科衛生士業務に自信がついてきた頃に、患者さんとのすれ違いを感じるときがありました。今思えばその頃の私は独りよがりになっていたんだと思います。さらに担当制で長く付き合う分、なあなあになってしまう面もあって。そこで一度立ち止まり、初心に戻って診療を見直しました。それからは長く診ている患者さんには「あなたの歯はもう私の歯みたいなものだから、そう思ってちゃんとケアしてくださいね」なんてズバッと言うことも。そのくらい深いお付き合いができるようになってきました。

仕事を始めて2、3年すると一通りのことができるようになり、さらに数年して「わかってきた!」と思ったところで大きな壁に突き当たる。それはきっと多くの人が通る道ではないでしょうか。そこでくじけながら、もがいた先に、また新しいことに気づくことができる。続ければ続けるほど見えてくる、歯科衛生士の仕事の面白さだなと感じています。

自分の手で疑問を解決する 研究の楽しさを発見

こうして20年ほど臨床に取り組んでいるうちに、インプラントを入れた患者さんが次第に高齢化して、口腔環境に問題が出るケースが増えてきました。ちょうどそのタイミングで、本校の医療保健学部に修士課程が設置されることに。そこで、働きながら大学院に進学して、インプラント埋入患者の高齢化について研究することを決めました。

研究にあたっては、データ収集期間の4ヶ月で実に136名もの患者さんが協力してくれました。コツコツと信頼関係を築いてきたことの証しだなと、感慨深かったですね。そして、初めて研究に取り組む中で、これまでとは違った学びの面白さを知りました。それまでは学会などで得た情報を臨床に落とし込むことはしていたのですが、それって実は、受け身の学び。一方で研究は、自分が疑問に思ったことに対して、自分でデータを集めて解決していくもの。そのことに気づくと、より主体的に課題に取り組んでいきたいという気持ちが高まりました。

研究テーマである「高齢者の咀嚼能力と主観的満足度の検討」に用いる咀嚼能力検査の装置キット。

教員へのお誘いをいただいたのは、博士課程へ進み、さらに学びを深めていたとき。歯科衛生士人生の折り返し地点を過ぎたところでもあり、一度臨床とは別の働き方をしてみても良いかなと考えて、転職を決めました。

そこから当校で学生指導に携わって4年。これまでの経験を伝えることもあれば学び直すこともあり、毎日が新鮮です。

これから歯科衛生士として羽ばたく皆さんは、若いうちは「大変だ」と感じることもあるかもしれません。でも年齢を重ねると、乗り越えられるだけのタフさが少しずつ身についてきます。しばらく頑張って続けてみると、違う景色が見えてくるはず。皆さんにもぜひ、この仕事の本当の楽しさを味わってほしいと思います。

教え子が卒業時にくれた手紙は宝物!

私の学生時代

夏休みにクラスメートとキャンプに行くなど、忙しい中でも楽しく過ごしていました。実習で上顎の印象がなかなかうまく取れず、「ごめんごめん」と謝りながら、友だちに何度も付き合ってもらったことをよく覚えています。

学校情報

学校法人 大阪歯科大学[大阪府枚方市]

歯学部、医療保健学部に加えて看護学部(2024年新設)を擁し、保健・医療・福祉の多職種連携を実践できる人材の育成に注力。歯科衛生士と社会福祉士のダブルライセンス取得も目指せる。
★学校HPはこちら

*こちらは、2024年9月発行「就活BOOKクオキャリア秋号」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は取材時のものとなります。

 

新卒歯科衛生士の求人情報はこちら

転職歯科衛生士の求人情報はこちら

歯科衛生士の求人をお探しの方へ
クオキャリアでさっそく見つけてみる
自分に合った職場がわかる!歯科衛生士のための適性診断