自分らしく、「資格取得」を目指せる職場に出会うには?|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#38
こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。
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目次
「資格を取りたい」という言葉の中身って?
皆さんは、学会などが認定する資格の取得に興味がありますか?
「興味がある!」という人も多いでしょう。歯科医院の求人情報にも、「資格取得支援」という記載がよく見られます。
ただ、多くの歯科衛生士さんを取材したり、いろんな歯科医院を見たりする中で感じるのは、資格取得に対する自分のスタンスと「環境」のマッチングが大切だということです。
例えば、「資格取得に興味がある」という一言の中には、
「絶対に歯周病認定歯科衛生士になりたい!」
「関心はあるけど、実際に取るかどうかは働きながら考えたい」
「そんなに大変でなければ、取っても良いかな…」
など、一人ひとりさまざまな思いがあると思います。こうした思いにマッチした職場環境を選ぶことが大切なのです。
また、資格取得に限らず、何か目標の達成を目指す時に、「みんなが頑張っていると、自分も一緒に頑張れる」というタイプの人もいますよね。逆に、「誰もやっていないことにこそ、モチベーションが湧く!」という人もいるでしょう。このような、「どういう環境だと自分がより頑張れるか」ということも、職場選びの際に考慮しておきたい重要な要素です。
そこで今回は、「資格取得に関心がある」という方に向けて、自分に合った職場選びのポイントを解説していきたいと思います。
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歯科衛生士が目指せる資格には、どんな種類がある?
「資格」と一口に言っても、その内容はさまざまです。まずは、歯科衛生士が目指せる資格には、どんな種類や違いがあるのかを押さえておきましょう。
診療分野
最も大きく異なるのは、その資格がどんな診療分野に関するものかということです。
「歯周病」「インプラント」「ホワイトニング」など、さまざまな分野で資格が設けられています。
活躍の場がもっと広がる! 歯科衛生士の認定資格
もし、「この分野の資格が取りたい」という目標がある程度固まっているのであれば、その資格の取得を応援していたり、その分野の診療に力を入れていたりする職場を選ぶことが、目標達成への近道になります。
具体的には、
- 求人情報に、取得を支援する資格名が記載してある?
- 院長の専門分野は? 認定医や専門医の資格を持っている?
- 先輩はどんな資格を持っている?
などをチェックすると、その職場で取得しやすい資格が見えてくるでしょう。
自分が取りたい資格の分野と、働く歯科医院の得意分野がマッチしていると、資格取得に必要な知識や技術を実務の中で身につけられます。また、資格取得に向けて学んだことが実際の診療に活かせる場面も多いので、勉強へのモチベーションも上がるのではないでしょうか。
また、資格によっては、「専門医の下で診療を行うと、資格取得に必要な実務経験が多くカウントされる」など、具体的なメリットがある場合もあります。
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資格取得の難易度
もう一つ押さえておきたい「資格による違い」は、“取得の難しさ”です。
資格の中には、講習を1日受けると取れる資格から、数年間をかけた準備が必要な資格まで、さまざまな難易度のものがあります。
職場探しの段階では、まだそこまで具体的に考えていない方がほとんどだと思いますが、自分が資格取得に向けて「どの程度頑張るつもりがあるのか」は、少し意識しておくと良いかもしれません。
例えば、「1日の講習会を受けて取れる資格」をイメージしている人が、「何年もかけてデータを集めて取る資格」を推奨している職場に就職すると、「大変すぎる!」と感じてしまうでしょう。
こうしたミスマッチを防ぐためにも、「資格には、取得に必要なエネルギーや時間、専門性の高さに大きな幅がある」ということは、頭の片隅に置いておいた方が良さそうです。
ケースで見る、職場での資格の“位置付け”
さて、次に押さえておきたいポイントは、「その歯科医院で、資格取得がどのような位置付けになっているか」です。「それって、どういうこと?」と思う人が多いと思いますので、具体的なケースで見ていきましょう。
ケース① 歯科衛生士のほぼ全員が資格を持っている歯科医院
A歯科医院では、キャリア数年以上の歯科衛生士のほぼ全員が、「日本歯周病学会認定歯科衛生士」か「インプラント専門歯科衛生士」の資格を持ち、それぞれの専門性を活かしてバリバリ活躍しています。
新人さんたちも学会に所属し、先輩たちのように資格を取ることを目指して勉強中。
先輩たちは、資格取得の経験やノウハウを積極的に後輩に伝えており、医院として、この2つの資格の取得を全面的に支援しています。
●新卒で入職して2年目のAさん
「歯科衛生士になったら、絶対に歯周病の認定資格を取りたい!と学生時代から決めていました。
そのため、職場探しのポイントも、“歯周病の認定資格を持っている先輩がいるかどうか”。
実際に今、先輩たちが積み上げてきた症例も参考にしながら、資格取得に向けて着々と準備を進めています。
目標に確実に近づけているので、毎日が充実しています!」
〈解説〉
このように、歯科衛生士のほぼ全員が学会の認定資格を持っている、あるいは取得を目指している職場の場合、「先輩から資格取得のノウハウを学べる」「勉強のモチベーションを維持しやすい」といった大きなメリットがあります。
学生時代から「絶対にこの資格を取る!」と決めている場合は、こうした職場を選ぶと、資格取得への近道になりそうです。
ケース② 歯科衛生士の一部が資格を持っている歯科医院
講習会の情報などは院内でアナウンスされるので、興味のあるものがあれば自分で選んで参加できます。
「資格を取るのも、講習会に出るのも各自の自由という雰囲気が気に入っています。
いざ資格を取りたいとなれば、先輩からアドバイスを受けられる環境なのも安心です。
まだ基礎を固めているところなので、資格については来年くらいから考えようと思っています。」
〈解説〉
「歯科衛生士の一部が資格を持っている」という職場の場合、資格を取るかどうかは個人の希望や判断に任されていることが多いです。「実際に働き始めてから、じっくり考えたい」という人には、こうした職場が合っていそうです。
ケース③ 資格を持っている歯科衛生士がいない歯科医院
C歯科医院はオープンして2年目。資格を持っている歯科衛生士はまだいません。
一方で、院長は日本口腔インプラント学会の専門医であり、高いレベルのインプラント治療を行っています。インプラントを希望して来院する患者さんも増えている状況です。
●オープニングスタッフとして入職した、経験5年目のCさん
「当院でインプラント治療に関わる中で、もっと専門性を高めて患者さんの役に立ちたいという気持ちが高まりました。院長と一緒に学会や研修に参加したり、個別に勉強会を開いてもらったりしながら学んでいます。
当院ではまだ誰も取っていない資格なので、自分が一人目になることにワクワクしています!」
〈解説〉
実際に資格を取っている先輩がいない場合も、自分の意志次第で資格取得が可能なことが多いです。特に、専門医や指導医が在籍している職場では、ドクターから直接学べることも大きなメリットになるでしょう。
「誰もやっていないことに挑戦してみたい!」というタイプの人は、こうした職場で働くことで、モチベーションが上がるのではないでしょうか。
まとめ:「資格取得」にも、職場環境が大切!
求職者の、「資格を取りたい」。
歯科医院の、「資格取得を支援します」。
それぞれ一言で表現していても、その内容はかなり幅広いことを感じていただけたのではないでしょうか。
このように幅が広い分、自分なりの「資格を取りたい」という思いにぴったり合った職場を見つけるのは、実はちょっと難しいのです。
特に、資格取得に対する“温度感”は、求人情報だけを見ていても、なかなかつかみにくいもの。
そのため、実際に歯科医院を訪れて、先輩や院長に話を聞いてみることが重要なのです。
「資格取得に興味がある」と歯科医院側に伝えてマイナスになることはありませんから、積極的に質問してみましょう。ただ、その際には、「将来的に資格取得に興味はあるけど、具体的には働きながら考えたい」なのか、「絶対にこの資格を取りたい」なのかなど、自分の気持ちをごまかさずに伝えることが大切です。
皆さんが、自分のイメージした未来に向かって、楽しくまっすぐ進める職場に出会えることを応援しています。
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ライター、インタビュアー
2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。
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