意外と濃い関係!?「歯科衛生士」×「英語」の接点を探ってみました|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#37
こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。
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目次
「歯科衛生士」と「英語」の接点って?
突然ですが、皆さんは英語が話せますか?
もしくは、話せるようになりたいですか?
「英語が得意だから、それを活かして働きたい」
「今は話せないけど、仕事を通して話せるようになったらステキ!」
と考えている人もいると思います。
日本で歯科衛生士として働く上で、英語が話せることは必須の条件ではありません。
立地によっては、英語を使う機会がほぼゼロの職場もあるでしょう。
一方で、日本語の話せない外国人の患者さんが多く来院する地域もありますし、また歯科について学びを深める上でも、英語を読めたり話せたりすることには大きなメリットがあります。
特に最近は日本を訪れる外国人観光客が非常に増えており、英語でのコミュニケーションが求められる機会は、これからますます増加していくことが予想されます。
そこで今回の記事では、「歯科衛生士の仕事」と「英語」の接点を、さまざまな角度から見てみたいと思います。
接点(1)外国人の患者さんへの対応
「歯科衛生士の仕事」と「英語」の接点として真っ先に思い浮かべる人が多いのが、外国人の患者さんの診療をする場面でしょう。
日本に住んでいるけれども日本語が得意でない方や、海外から日本に旅行に来たところ、歯が痛くなったり口に怪我をしてしまったりした方などのケースが考えられます。
こうした場合に英語が話せると、症状のヒアリングや治療の説明などがずっとスムーズに行えるはずです。
それによってきっと、言葉の通じない環境で不安を抱えている患者さんに安心してもらえたり、喜んでもらえたりすることでしょう。「相手の役に立てた」という実感を、普段の診療以上に味わえると思います。
特に、外国人の方が多く住んでいたり働いていたりする地域や、観光地にある歯科医院では、こうしたケースに遭遇することも多いでしょう。
また、院長が英語が得意で、ホームページなどで「英語での対応ができます」と掲げている歯科医院も、外国人の患者さんが比較的多く来院することが考えられます。
「英語力を活かして働きたい」
「せっかく学生時代に英語を習ったのだから、実際に使って自信をつけたい」
という方には、こうした職場がおすすめです。
接点(2)求人情報に見られる「英語」関連の情報
求人情報にも、「英語」に関する記載が見られます。
例えば給与欄などに、「英語の話せる方は優遇」と明記されている場合があります。
具体的に手当が上乗せされる場合もあるので、英語が話せる方は要チェックです!
他にも、「英会話教室の費用を医院が負担」や「院内で英会話教室を開催」という福利厚生制度を設けている職場もあります。
「今は英語力に自信がないけれど、将来は英語を話せる歯科衛生士になりたい!」
と考えている方にはぴったりです。
求人条件にこのような待遇を設けている背景としては、「実際に外国人の患者さんが多い」という事情のほか、「社会人として成長してほしい」という思いなどがあることも考えられます。
見学の際などに詳しく質問をしてみると、その職場についての理解が深まるのではないでしょうか。
接点(3)海外研修に参加
仕事を始めてからのスキルアップの方法として、「海外の研修への参加」や「短期留学」などを考える人もいるでしょう。
中には、医院として海外研修の機会を設けている職場もあります。
そして、歯科衛生士が海外で学ぶ際に圧倒的に多い訪問先が、予防歯科の先進国「スウェーデン」です。
スウェーデンの公用語はスウェーデン語ですが、実は英語を話せる人がとても多いため、英語が話せればほとんど不自由しないそうです。
「いつかは、本場のスウェーデンで予防歯科を勉強したい」
と考えている歯科衛生士や歯科衛生士学生は、英語を勉強しておいて損はありません!
また、英語で書かれた論文や英語雑誌が読めれば、得られる知識もグッと広がりそうです。
接点(4)海外ボランティアに参加
歯科衛生士の中には、海外で歯科保健指導や歯科検診などを行うボランティアに参加している人もいます。
こうした歯科ボランティアは、医院として参加者を募っている場合もありますし、個人で登録などをして参加するケースも多いです。
訪問先の住民とのコミュニケーションはもちろん、国際的なチームであればチームメンバーとのコミュニケーションの際にも、英語が話せることは大きなメリットになります。
また、ある程度の英会話力は、海外ボランティアに参加する際の必須のスキルと言えるでしょう。
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接点(5)海外で歯科衛生士として働く
さらに、「日本以外の国で、歯科衛生士として働く」という選択肢もあります。
その場合は、あらためて現地の歯科衛生士資格を取得することが必要になりますが、日本で歯科衛生士の資格を取ったり、歯科衛生士として働いたりした経験ももちろん活かせるでしょう。
このように海外で生活や仕事をする場合は、一定レベルの英語(もしくは現地の言葉)の習得が必須になります。
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まとめ:「英語力」は大きなアドバンテージ。でも、それ以上に「気持ち」が大事!
ここまで、「歯科衛生士」と「英語」の関わりについて幅広い側面からご紹介してきました。
英語が話せると、歯科衛生士としてできることや学べることが大きく広がりそうですし、希望すれば、仕事を通して英語力を磨ける職場で働くこともできそうです。
しかし一方で、歯科衛生士として仕事をする中で、
「自分は英語が話せないけれど、日本語が話せない患者さんが来院した」
「日本語も英語も話せない患者さんが駆けこんできた」
という場面に遭遇することも十分に予想されます。
以前に取材をした歯科衛生士さんが、次のようなエピソードを話してくれたことがあり、強く印象に残っています。
そこで、翻訳アプリを駆使しながら、スタッフ総出でなんとか対応。無事に患者さんの痛みを取ることができ、とても喜んでもらえました。
「日本人は英語でのコミュニケーションが苦手」という話は、昔からよく耳にします。
実際に英語に苦手意識があったり、「間違ったら恥ずかしい」と強く感じたりする人もいるでしょう。
でも、「言葉が通じないから」という理由で診療を断ってしまっては、医療従事者としての責任を果たせたとは言えません。
幸い最近は翻訳アプリの精度が格段に上がっているので、工夫をすれば、コミュニケーションを取る手段はなんとか見つかるはずです。
語学力はもちろん役立ちますが、それ以上に大切なのが、「困っている人を助けたい!」という真っ直ぐな気持ちです。
その気持ちを持った上で、さらに英語力を身につければ、きっと多くの人を救える「カッコいい歯科衛生士」になれることでしょう。
応援しています!
ライター、インタビュアー
2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。
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