求人情報のワードを深掘り! 「食事代補助」が意味するものって?|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#36

こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。

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福利厚生の一つ「食事代補助」「昼食支給」

歯科医院で働いていると、ほとんどの場合に職場で昼食をとることになります。

毎日お弁当を作って行くのは大変だけど、外食だとお金がかかる…。
それに、コンビニ弁当やファストフードだと健康面が不安。

そんなお悩みの解決を助けてくれるのが、「食事代補助」や「昼食支給」という福利厚生です。
でも実は、「食事代補助」や「昼食支給」の具体的な内容には、さまざまなものがあります。
得られるメリットも、その制度を設けている背景も、職場によって少しずつ違うのです。

そこで今回の記事では、サラッと読み飛ばしてしまいがちな「食事代補助」や「昼食支給」にスポットを当てて、詳しく紐解いていきたいと思います。

パターン(1) 金銭で支給されるケース

「食事代補助」と聞いてまず皆さんが思い浮かべるのが、「交通費補助」などと同様に、「食事の費用」を支給してもらえることだと思います。

そういったタイプも、もちろん「食事代補助」の一つです。
具体的には次のような制度です。

・「出勤日1日あたり◯円」というように、決まった額の補助金が支給される
・「訪問診療に出る日は1日あたり◯円」など、特定の勤務日に、決まった額の補助金が支給される

このケースのメリットは、純粋に「金銭面での負担が軽くなる」ということです。

パターン(2)お弁当が支給されるケース

実は歯科医院の「食事代補助」には、ただお金を支給するのではなく、お弁当などを割引で、または無料で購入できるパターンもあります。
求人情報では、「昼食支給」と書かれていることもあります。
具体的には次のような制度です。

・医院指定のお弁当屋さんを利用する場合に、割引または無料で注文できる
→スタッフ全員が基本的にはそのお弁当を食べている場合と、「希望者は利用できる」というタイプがあります。
・「週1回」や「月1回」、「ランチミーティングの日」など、定期的に無料で昼食を注文できる日がある
→医院指定のお弁当屋さんを利用する場合が多いようですが、中には、各自が好きなものを選んで食べられる場合や、スタッフ間で相談して「今日はこのお店」と決める場合もあります。

このパターンの場合は、金銭面での負担が軽くなることに加えて、自分で昼食を買いに行ったり、作ったりする手間が省けるというメリットもあります。
「毎日昼食を考えるのが面倒だな」という人にはぴったりでしょう。
また、お弁当の内容によっては、栄養バランスが整っていることも期待できます。

パターン(3) 職場に、昼食の一部が用意されているケース

院内のスタッフルームなどに昼食の一部や軽食がすでに用意されていて、スタッフが無料または割引で利用できる場合もあります。
「現物支給」というイメージが近いでしょう。
具体的には次のような制度です。

・惣菜や冷凍食品、カップ麺などのストックがある
→お店でカップ麺などを購入してストックしてあるタイプと、オフィスに惣菜を提供する「設置型社食サービス」を利用しているパターンがあります。「設置型社食サービス」の場合は「1品100円」など料金がかかることが多いです。
・ご飯とみそ汁が用意されている
→おかずだけを持ってくれば立派な昼食になるので、お弁当を持ってくる場合も準備や荷物負担が少なくなります。「節約したい!」「時間がない!」と言うときには、あり合わせのものだけで済ませられるかも。

パターン2と同様に、金銭面に加えて手間も減るのが、このパターンのメリットです。
加えて気持ちの面でも、温かいご飯とみそ汁があるとほっとできますし、「職場に食事が用意されている」ということで、家庭的な雰囲気も生まれるのではないでしょうか。

このケースは、「社員食堂を置くほどの規模ではないけれど、スタッフに健康的な食生活を送ってほしい」という、医院側の気持ちの表れであることも多いです。

パターン(4) 栄養バランスの取れた食事が提供されるケース

さらに一歩進んで、「職場に食堂があり、専任の調理師がいる」「医院にカフェが併設されている」と言う場合もあります。
具体的には次のような制度です。

・院内にキッチン付きの食堂があり、管理栄養士さんが昼食を作ってくれる
→この場合、食堂と診療スペースは別棟や別フロアになっていることが多く、広めの空間でゆったり過ごせます。
・院内に併設、もしくは近隣に提携しているカフェがあり、割引または無料で利用できる
→こうしたカフェは、歯や体に良いメニューを提供していることが多いです。

このタイプの場合、栄養バランスの取れた昼食を毎日とることができるので、一人暮らしをしている人には、特にありがたいでしょう。
また、「できたての温かいごはん」をしっかり食べられることは、知らず知らずのうちに、日々の生活に活力を与えてくれるはずです。

このような福利厚生を導入している理由としては、「スタッフの食事が不健康なことに気づき、それを改善するために始めた」という場合があります。

また、「患者さんを健康にするためには、まずは自分たちが健康でいることが大事」という考えが背景にあることも多いです。
歯科では食生活の指導を行う場面も多いですから、たしかに、自分たちがきちんとした食生活を送っていると、より説得力が増しそうです。

その他のケース

その他にもユニークな「食事代補助」のケースがあるので、いくつかご紹介しましょう。

・大型商業施設内にある歯科医院で、施設共通の社員食堂を利用できる
→格安で食事ができますし、昼休みに職場外に出て休憩することでリフレッシュもできそうです。
・診療後に、院長が夕食を作ってふるまってくれる
→院長とスタッフの距離が近く、アットホームな職場であることがわかります。
・患者さん向けに「医院周辺のグルメレポート」を行っており、そのための活動費として定期的にランチ代が支給される
→遊び心があふれる職場で、地域の患者さんとの距離も近いことが想像できます。
・ストックされているお菓子や飲み物が、食べ・飲み放題
→「食事」の補助ではないですが、スタッフの“ちょっとした楽しみ”を大切にしている職場だということが伝わってきます。
・スタッフルームにキッチンがあり、自由に利用できる
→歯科医院の休憩時間は長いと2時間以上の場合もあるので、料理好きにはうれしい福利厚生かもしれません。

まとめ:「食事代補助」の具体的な内容や、その“背景”にも注目してみて

「食事代補助」という一つのワードにも、さまざまな内容が含まれていることを理解していただけたのではないでしょうか。

求人条件の福利厚生欄に「食事代補助」「昼食支給」と書いてあると、まずは「お金の負担が減ってうれしい!」と感じる人がほとんどだと思います。
でも実はそれだけではなく、

「スタッフに健康に過ごしてほしい。そのためにできることをしたい」
「いつも頑張ってくれているスタッフに喜んでもらいたい」
「歯科医療機関として、“食事”を大切に考えている」

といった、“医院の姿勢”の表れであることも多いのです。

「食事代補助」「昼食支給」というワードを見かけたら、「具体的にはどんな内容なのかな?」「なぜその制度を設けているのかな?」と掘り下げて質問したり、考えたりしてみると、その医院の考え方やカラーが見えてくるかもしれません。
そして意外にそれが、「自分に合った歯科医院」を選ぶきっかけになることもあります。

歯科衛生士の道を選んだ皆さんは深く理解していることだと思いますが、「食事」は、人間(だけでなく、生き物すべて)が生きる上で、とても重要な要素です。
そのため、「スタッフの食事」に対する考え方は、その医院の、“職場”としてのスタンスにも、“歯科医療”へのスタンスにも、大きく関わってくるのではないでしょうか。


ヤナギ

ライター、インタビュアー

2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。

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