「成長」のためには「環境」が重要! |歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#8
こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。
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目次
「成長」のためには「環境」が重要!
どんな職場に就職したいかを考えたときに、「成長できる職場で働きたい」「自分を変えてみたい」と、漠然と思い描いている人も多いと思います。
でも「仕事を通して成長する」とは具体的にどういうことなのか、そして、実際にどんな環境なら成長できるのかとなると、イメージが湧きにくいかもしれません。
そこで今回は、私が取材を通じて「ここで働くと成長できそうだな」と感じた職場をいくつかご紹介したいと思います。
ケース1:取材を重ねるごとに、歯科衛生士さんが成長している職場
一つ目に取り上げるのは、東京都内の大型ターミナル駅の近くにある、オシャレな歯科医院です。
最初に訪れたときに対応してくれたのは、新人歯科衛生士のAさん。
「ホワイトニングをやってみたい!」という希望を抱いて、東北地方から上京したばかりでした。
慣れない仕事に苦戦しつつも、憧れの東京での生活を楽しんでいる様子が伝わってきて、なんだかほっこりしました。
そして1年後。
再びその医院を訪ねると、すっかり垢抜けて大人っぽくなっているAさんがいました。
念願のホワイトニングに取り組んでいて、「歯が白くなって、患者様が喜んでくれることがうれしい」と、イキイキと話してくれました。
初めての後輩(Bさん)もできており、後輩を指導する姿に大きな成長を感じて、私までうれしくなりました。
さらに、その4年後。
またその医院を訪れると、今度はBさんが迎えてくれました。
歯科衛生士として5年目を迎えたBさんは、チーフとしてスタッフをまとめたり、難しい治療のアシストを担当したりと、医院の中心となって活躍していました。
その様子からは、後輩からも歯科医師からも、とても頼りにされていることが伝わってきました。
そんなふうに、この歯科医院を訪れるたびに、歯科衛生士さんの成長に驚いたり、感動したりしています。
こうやって成長できる理由の一つは教育体制が整っていることでしょうが、おそらく要因は、それだけではないはずです。
「若手」「中堅」「ベテラン」と、常に幅広い経験年数の歯科衛生士が在籍していることも、成長できる大きな理由に違いないと私は考えています。
先輩の背中を追うことで新人さんが順調にステップアップでき、後輩を教えることで先輩もさらに成長し…と、良いサイクルが生まれているのだと思います。
ケース2:1年目と2年目で、歯科衛生士さんの印象がまったく違う職場
次に紹介するのは、接遇に力を入れている、埼玉県のとある歯科医院です。
職種を問わず、スタッフさんの言葉づかいや所作、そして笑顔がとても美しく、上質なホテルのような雰囲気がありました。
対応してくれた2年目の歯科衛生士さんもそのような印象だったので、私は勝手に「大人っぽい、しっかりした人を選んで採用しているんだろうな」と思っていました。
しかし、集合写真を撮るためにスタッフさん全員に集まってもらったところ、学生さんのような素朴でかわいらしい感じの方が2人、混ざっていました。
それは、入職したばかりの新人歯科衛生士さんたちでした。
先ほどの2年目の歯科衛生士さんに改めて話を聞いてみると、「初めは自分も、今の新人さんと同じようだった。敬語もうまく使えなかったけれど、先輩たちの様子を見ているうちに、社会人としての言葉づかいや動作が自然と身についた」とのこと。
1年間この職場で働くことで、こんなにも雰囲気が変わるものなのか!と驚きました。
「朱に交われば赤くなる」という言葉がありますが、これは、職場とスタッフの関係にも当てはまります。
特に新卒で初めて働くときには「真っ白」な状態ですから、どのような職場で働くかによって、歯科衛生士としての「色」が決まってくるのではないでしょうか。
見学をしたり、求人情報を集めたりする中で、「自分もこうなりたい」と感じる職場があれば、それはきっと、成長のチャンスです!
目標にしたい先輩たちに囲まれて働くことで、きっと、自分をより良く変えられると思います。
ケース3:「苦手」な業務が「大好き」に変わった歯科衛生士さん
最後に紹介するのは、新卒当時はアシスト業務に苦手意識があったという歯科衛生士さん。
臨機応変に動かなければいけないことが、大きなプレッシャーだったそうです。
しかし、先輩と一緒に動きをシミュレーションしながら練習するうちに、次第に落ち着いて対応できるようになったそう。
歯科医師からも「やりやすかったよ」と、アシストの手際を褒められるようになり、その結果、今ではアシストが「大好きな業務」の一つになったと話してくれました。
私はこの話を聞いて、「『苦手』を『好き』に変えた、この歯科衛生士さんはすごいな!」と感激しました。
そして同時に、その努力の過程で、「一緒に練習してくれる先輩」や「褒めてくれる同僚」の存在が、大きな励みになったのだろうと思いました。
自分の力だけで上を目指していけるなら素晴らしいですが、誰もがそんなに強い人ばかりではないですよね。
「努力できるか」「ポジティブに考えられるか」ということは、意外と、環境に左右されるものです。
この職場のように、支えてくれる仲間や、成長に気づいてくれる仲間が周りにいると、努力やチャレンジがしやすくなり、それが自分の成長につながるのではないでしょうか。
まとめ:「成長できる職場」を見つけるためのチェックポイント
いかがでしたか?
「成長できる職場」のイメージが、少し具体的になったでしょうか。
成長できる職場かどうかを見極めるためには、そこで働いている先輩たちが、実際にどのように成長してきたのかを知ることが、一番の近道です。
医院見学の際には、ぜひ先輩に、入職から今までの話を聞いてみてください。
また、歯科衛生士が複数在籍している職場の場合は、それぞれ歯科衛生士歴が何年くらいなのかもチェックしてみましょう。
そして、1年目、3年目、10年目など経験年数の違いで、仕事の仕方にどのような違いがあるかに着目してみることもオススメです。
「成長できる職場」に出会えれば、きっと、今の自分が思っている以上に、素晴らしい歯科衛生士になれると思います。
今回の記事を通じて、「どのような環境で働くか」ということの大切さを感じていただけたらうれしいです。
ライター、インタビュアー
2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。