待合室を眺めて、リラックス&情報収集 |歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#7
こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。
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目次
見学までの時間を過ごすことが多い“待合室”
取材で歯科医院を訪問するとき、少し早く到着したり、診療が伸びていたりすることもあり、待合室で待たせていただくことが多いです。
私は小心者なので、「今日取材するのはどんな方だろう」「うまく話が引き出せるかな…」と、実は、いつもドキドキしながら歯科医院を訪れているんです。
ですので、取材までの待ち時間は、「何か取材の材料になるものはないかな?」と、待合室をキョロキョロと眺めて過ごしています。
そうすると、あちこちからいろいろなヒントが見つかり、気持ちも自然と落ち着いてくる気がします。
みなさんも医院見学に訪れる際には、待合室で待たせてもらうことが多いかもしれません。
そしてきっと、とても緊張していることでしょう。
そんなときにおすすめなのは、待合室を観察してみることです。
ということで今回は、「待合室でわかること」をご紹介したいと思います!
観察ポイント①:スタッフ紹介
待合室にあるものの中で、私が一番楽しみにしているのが「スタッフ紹介」です。
歯科医師や歯科衛生士などの顔写真が壁に貼られていたり、似顔絵のイラストにコメントが添えられていたり。
患者様へのメッセージのほかに趣味や特技が書いてあることもあり、スタッフ一人ひとりの人柄が伝わってきます。
「どんな人が働いているのか」がわかると、職場への理解が深まりますよね。
何より、時間をかけてスタッフ紹介を作成し、院内の貴重なスペースにかかげている様子から、「人を大切にしている職場」だということが伝わってきます。
また、スタッフ紹介の掲示が患者様との話のきっかけになったり、患者様から顔を覚えてもらいやすくなったりして 、仕事のやりがいにもつながるのではないでしょうか。
スタッフ紹介に加えて、治療を終えた患者様とスタッフの記念写真が飾られている医院もあり、「患者様との距離が近いんだな」とほっこりします。
観察ポイント②:診療内容や機材についての案内
そのほかの掲示物としてよく見かけるのが、診療内容や診療機材の紹介です。
ホワイトニングなどの機材についてのポスターや、補綴物の種類の紹介、訪問診療の案内のほか、最近では、院内感染防止対策について説明する掲示物も増えています。
患者様が自由に持ち帰れるパンフレットが設置してある医院も多いです。
こうしたポスターやパンフレットからは、「どんな診療が得意なのか」「医院としてどのようなことに力を入れているのか」が伝わってきます。
こうした情報を、自分の興味のある分野や、重視したい条件と照らし合わせてみると良いと思います。
また、「この機材、使ってみたい!」「この治療方法に興味があるな」という直感を大切にしても良いかもしれません。
中には、「セルフケアのポイント」や「〇〇医院新聞」など、スタッフの手作りのポスターや配布物を用意している医院もあります。
スタッフの仕事への情熱や、医院に対する愛情、「自分たちで歯科医院を作っているんだ」というワクワク感が伝わってきて、こちらまでうれしくなります!
観察ポイント③:ケア用品販売コーナー
受付周辺に歯ブラシなどを陳列し、セルフケア用品を販売している歯科医院も多いです。
驚くほどたくさんの種類の歯ブラシが置いてあったり、お店かと思うくらい、壁一面の棚に歯磨き粉やフロスが並んでいたりすることも。
キシリトール配合のガムやタブレットを取り扱っている歯科医院も増えています。
このようにセルフケア用品の販売に力を入れているのは、「予防を重視している」ことの一つの表れです。
商品の選定や陳列が歯科衛生士に任されている場合も多く、手書きのPOPが添えられていることもあります。
実はケア用品販売コーナーは、歯科衛生士の活躍の場の一つでもあるんです。
ショップでの勤務経験のある人などは、そのノウハウも活かせそうです。
また、以前に取材先で、ちょっと変わった歯ブラシが販売されていたので歯科衛生士さんに質問してみたところ、ものすごく熱心に商品の説明をしてくれたことがありました。
気になる商品があったら見学の際に先輩に尋ねてみると、話が弾むかもしれません!
観察ポイント④:患者様の様子
診療時間内に医院を訪問した場合、待合室に、診療や会計を待っている患者様がいらっしゃることも多いです。
前提として、患者様に迷惑をかけたり不快感を与えたりしないように十分気をつけなければなりませんが 、その上で、ちょっと様子をうかがってみることも参考になります。
例えば、患者様の年代や性別、小さいお子さん連れの方がいる、といった傾向からも、その医院の特徴がつかめます。
「自分がもし、この患者様の診療をするとしたら…」と想像してみると、その歯科医院で働くイメージが具体的に湧いてくるかもしれません。
また医院によっては、受付を済ませた患者様がすぐに診察室に呼ばれたり、診療後はすぐに会計を済ませて帰られたりと、待合室にほとんど患者様がいない場合もあります。
そのような歯科医院は、「時間管理がきちんとしている=残業も少ない」職場であるということが考えられます。
その他の観察ポイント:トイレ
お手洗いは訪問前に済ませておくのがマナーですが、見学が長時間にわたる場合など、トイレを借りたくなることがあるかもしれません。
そんなときには、必ずスタッフに声をかけてから利用するようにしてください。
そしてせっかくなので、トイレの清掃状況や設備などをチェックしてみましょう!
トイレがキレイだということは、院内の清掃や管理が隅々まで行き届いている証拠です。
また、オムツ替えシートや荷物置き、ブラッシングコーナーなどの設備が充実していれば 、それだけ患者様への配慮を大切にしている医院であると言えるでしょう。
また、スタッフ専用のトイレを患者様用とは別に用意している医院もあります。
入職したらトイレは毎日必ず使うものなので、自分がストレスなく使えるかはとても大事です。
待ち時間も有効に使って、職場のことをより深く知ろう!
待合室は診療とは直接関係のない場所ですが、歯科医院の「顔」とも言え、その医院のイメージを左右する場所です。
そう考えると、その待合室にどんなものが置いてあったり、掲示してあったりするのかということは、職場を理解する上で重要な情報だと思います。
医院見学のときにはどうしても緊張してしまうと思いますが、受付で名前と用件を伝えたら、まずは深呼吸をして、待合室を見回してみてはいかがでしょうか。
そうやって医院についてのイメージをふくらませておくことで、その後の見学がより有意義なものになるはずです。
ライター、インタビュアー
2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。