医院見学、どうしよう?|教えて!ビーバー先生 クオ子の就活トラブルSOS #1 後編
就職活動は社会の入り口。学生生活を送るなかでは縁がなかった心配事やトラブルに遭遇することもあるかもしれません。
はじめての職場探しに際し、さまざまな「困った」に直面している歯科衛生士学生の“クオ子”さんが、歯科業界の採用に詳しい“ビーバー先生”に相談します。
*こちらは、2021年9月発行「就活BOOKクオキャリア秋号」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は当時のものとなります。
★第1回「医院見学」前編はこちら
★第2回「就活ハラスメント」はこちら
★第3回「内定後の取り交わし」はこちら
目次
登場人物紹介
クオ歯科衛生士学校の3年生
何事にも一生懸命だが、心配性なのとおっちょこちょいなところがたまにキズ。就活が始まり、周りの友達がどんどん行動しているのに、自分だけ心配事が多くてなかなか進めずにいる。好きな言葉は「明日から頑張る」
株式会社クオキャリアの代表取締役社長 中山 豊
社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントの資格も持ち、長年、歯科衛生士の就職をサポートしてきた経験から、今連載ではDH学生の就職トラブルに対し幅広い視点からアドバイス。最近気になる存在、生態系のキーストーン「ビーバー」に扮して登場。
「見学のみOK」なのに履歴書持参が必要!?
クオ子:
ところで、他にも気になる医院があって見学に行ってみたいのですが、募集要項に「見学時、履歴書持参」って書いてあるんですよね。本当に見学だけさせてもらえるのでしょうか?
ビーバー先生:
履歴書持参が応募につながってしまうと心配しているのかな?
クオ子:
そうなんです。いくつか見学してから受ける医院を決めたいと思っているので…。
ビーバー先生:
見学に来る人の身元を確認したいから「履歴書持参」と定めている医院もあるよ。どこの誰が来たのかわからないと医院側も不安になるからね。
ただお互いに誤解がないように、見学だけということを申し込み時にしっかり伝えておこう。
クオ子:
たしかに医院さんも時間を割いて対応してくださるわけだから、そう思う気持ちもわかります。
ビーバー先生:
それと、医院側としては、見学自体も選考評価の第一過程と考えている場合もあるよ。
せっかく来てくれた学生のことをよく知っておきたいしね。
クオ子:
ふむふむ。見学のときの様子も選考基準になるかもしれないんですね…。気をつけなきゃ! あー、でもやっぱり心配だわ。
ビーバー先生:
まだ何か心配が?
クオ子:
当日、やっぱり面接もっていう流れになることは本当にないですか? 心配です、心配です〜。
ビーバー先生:
うーん、本当にまれだけれど、そういうこともあるかもしれないね。でも、その場でキッパリ断っていいんだ。もともと、お互いに見学のみという話をした上で来ているからね。
たとえ口頭での約束でも、民法では契約が成立するとされているように、「見学だけ」という約束だった以上、学生が望んでいないのに面接を行うのはNGなんだよ。
クオ子:
そうなんですね。でも、断りづらそう…。なんて言って断ればいいんですか?
ビーバー先生:
「見学のみと聞いて来ておりますので、今日は面接をお受けできません」とかね。
クオ子:
それでも私、気が弱いから断りきれず面接になり、万が一内定通知が来てしまったらどうすればいいんですか?
ビーバー先生:
もちろんこの内定は、さっき話した通り、お互いの約束とは関係なく面接を受けさせられて出た内定だから法的にも無効だよ。
「もともと面接は希望しておらず、見学のみというお約束で伺いました。私としては応募をしているつもりはありませんでした」と伝えよう。
WEBクオキャリアでは、申し込み時に「見学のみ希望/面接のみ希望/見学と面接を希望」が選べます。ぜひ活用してみてください!
https://www.webqua.jp/ndh
最低限心がけたい見学後のマナー
ビーバー先生:
ところで求職者側のマナーもとても大切だよ。
クオ子:
マナーってどんなことがあるんですか?
ビーバー先生:
たとえば見学したあとのマナーはとても大切。お礼はきっちり伝えた方がいいね。
クオ子:
応募の意志がなかったとしても?
ビーバー先生:
そうだよ。そもそも見学者への対応は、医院さんの負担の中で行っていることだと理解しないとね。求職者に自院のことをよく知ってもらうため、忙しい業務の合間をぬって案内してくれたりするのだからね。
クオ子:
そうですよねえ。わざわざそのために時間や手間をかけてくれているんですよね。
ビーバー先生:
そうなんだ。だから、「本日は時間を割いてご対応いただきましてありがとうございました」ということは最低限、すぐに言っておきたいよね。
そのときもし応募への気持ちが既に固まっているのであれば、同時にその旨申し出るとスムーズだね。またほかにも見学をする予定ならそれを正直に、そして一切応募する意志がないなら、このタイミングでハッキリと伝えよう。
クオ子:
率直に対応する、ということが大切なんですね。
ビーバー先生:
まさにそうだね。正直に丁寧に対応していれば、たいてい問題は起きないし、たとえトラブルになったとしても求職者は基本的に法律で守られているから心配ないよ。まずは自分自身が誠実に行動することを大事に、それでも困ったことがあれば、学校の先生に相談してみようね!
クオ子:
よくわかりました! 妥協のない就活ができるよう、私も頑張ります!
就活マナーは就職情報誌クオキャリアにも詳しく掲載されています。無料でお取り寄せできるのでぜひご活用ください!
https://www.webqua.jp/dh/magazine