【歯科衛生士国試対策 “わかる!社会歯科” 】社会保険って何?
目次
はじめに
歯科衛生士国家試験は、第27回に出題基準の見直しが行われ、
「地域包括ケア」「災害時の歯科保健」など新たな項目が出題範囲に加わったほか、
口腔機能の維持向上や摂食障害への対応、医療安全や職業倫理等の出題についてさらなる充実が図られました。
近年ではさらにこれらの項目で、知識そのものに加えて具体的な場面における対応について問われる傾向が見られます。
これらの内容は社会から【求められる】歯科衛生士に必要な基礎と言えますが、
一方で苦手意識を持っている方も多い科目だと思われます。
過去問アプリ編集長の笠原玄太さんが、これらの領域を「社会歯科」と称し、
歯科衛生士国家試験までに受験生が知っておきたい内容について、連載でお送りします。
歯科衛生士の未来に対して、理解を深めていただければ幸いです。
第一回の今回は、社会保険に関して解説します。
社会保険の基本的な仕組み
社会保険とは、みんなでお金(保険料)を出し合って、困りごとが生じた人にお金やサービスを届けて助けてあげる仕組み(公的な保険)です。
社会保険の種類
社会保険の種類は困りごとの内容に応じてあります。
困りごとにはどんなものがあるか、考えてみましょう。
① 自分が高齢になったので働くことが難しくなってきた
② 自分に障害があるので働くのが難しい
③ 家族の中の働き手が死んでしまった
④ 病気になってしまった、ケガをしてしまった
⑤ 仕事を辞めた、あるいは続けるのが難しくなるかもしれない
⑥ 自分が要介護状態あるいは要支援状態になった
①~③の場合に助けてくれるのがお金をもらえる「年金(国民年金、厚生年金)」です。
(それぞれ①老齢年金、②障害年金、③遺族年金と名前がついています。)
全ての人がもらえる国民年金に加え、サラリーマンや公務員の人などが追加でもらえる厚生年金があります。
⑤の場合に助けてくれるのが「雇用保険」。
⑥の場合に助けてくれるのが「介護保険」です。
病気やケガをしたときに助けてくれる仕組み
④の場合に助けてくれるのが「医療保険(国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療制度)」「労働者災害補償保険」です。
この仕組みはちょっと複雑で、「どのような人が」「どのような場合に」病気やケガをしたかによって制度が分かれます。
もう少し細かく見てみましょう。
・自営業の人
→国民健康保険が助けてくれます
・勤務している人
(1)仕事や仕事に行くための通勤でケガや病気をした場合
→労働者災害補償保険が助けてくれます
(2)仕事や通勤以外で病気やケガをした場合
→健康保険が助けてくれます
※歯科衛生士については、職場の歯科医院によって健康保険か歯科医師国保に分かれます
・75歳以上の後期高齢者(一定の障害がある人は65歳以上)
→後期高齢者医療制度が助けてくれます
国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療制度などをまとめて医療保険といいます。
実際の過去問で出題形式をチェック!
・第30回 午前 29問
・第29回 午後 30問
・第27回 午前 30問
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国試対策/ここを押さえよう!
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