将来が不安なら、まずは老後資金の見積もりを出してみよう|歯科衛生士の不安をお金のプロに相談してみた!#2

歯科衛生士として働いているけど、他の人はどのくらいお給料をもらって、どんな生活をしているんだろう……?

そんな気になるお金事情について、紐解いていく本企画。現役歯科衛生士さんが、ファイナンシャルプランナーの小沢美奈子さんにお金の悩みを相談する連載です。収入や支出を見直しながら、今後のお金の使い方について考えていきます。

今回のお悩み相談者は、本田さん(仮名)。マスコミ関係で働いた後、夜間の専門学校に通って歯科衛生士の資格を取得しました。第2回では老後資金について考えます。


第1回 高給だけど激務のマスコミから転職! 暮らしとお金はどう変わった?
第2回 将来が不安なら、まずは老後資金の見積もりを出してみよう(こちらの記事)
第3回 資産を増やすだけでなく、未来とキャリアを見据えた自己投資をしよう(9/17公開)


お悩みを相談するのは……
本田さん(仮名)
30代後半。夫と2人暮らし。もともとマスコミで医療や健康分野の取材などを行っていたが退職し、その後に歯科衛生士資格を取得。歯科関係の会社を経て、現在は教育機関の研究に携わる独立行政法人で働いている。すでにある程度の資産を築いているものの、将来が不安。

お悩みを受け止めるのは……
ファイナンシャル・プランナー 小沢美奈子さん
大学卒業後、損害保険会社(現あいおいニッセイ同和損保株式会社)に就職し、事務、社員教育、講師など幅広く経験。その後転職を経て、2015年に独立。日経WOMANなどでもマネー記事を執筆するなど、マネーライターとしても活動中。
https://kandbplanning.org/

老後資金はいくら用意すれば安心?

FP小沢さん 前回の記事では、本田さんの現在の働き方や資産状況について整理しました。今回はより具体的に、今後のための資産形成の話をしていきましょう。本田さんが今、お金について気になっていることは何ですか?

本田さん 今は老後のために投資や貯金をしていますが、いくら貯めれば良いのでしょうか? せっかく転職して自分の時間が取れるようになったので遊びにも行きたいのですが、どれくらい貯めればいいのかわからず……。資産や貯金額は順調に増えていますが、不安です。

FP小沢さん 日頃の生活費や、年金などの将来もらえるお金を計算しておくことで、備えておくべき金額がわかりますよね。本田さんは持ち家で、夫婦の生活費が毎月14万円と前回伺いました。年金額について計算したことはありますか?

本田さん 以前「ねんきんネット(※1)」で年金見込額試算をしたところ、今の仕事を続けた場合の年金見込み額が月額13万7,000円ほどでした。夫は私より少し少なくて、約10万円。それと70歳以降になると2つの生命保険のお金が入ってくるのと、会社で加入している確定拠出年金があるので、もう数万円プラスされる予定です。

FP小沢さん しっかり把握されていて、素晴らしいです。具体的な受取額については、基金に確認してみてくださいね。本田さんのケースであれば、現時点での生活費も抑えめなので、公的年金だけでも十分足りる見込みですね。

本田さん うれしい! 安心しました。

FP小沢さん 今のところ心配はいらないですが、旅行をしたり、何かお金が必要になったりした場合を考えて、年金以外のお金を用意しておくとさらに安心ですよね。日本FP協会が出している「家計のキャッシュフロー表」を作成すると、より詳しい老後資金の見積もりができますよ。老後の支出と収入をある程度数字化しておくと、お金の不安を軽減できるのではないかと思います。もちろん、将来の予定は状況によって変わるため、その都度作りかえることをおすすめします。

※1 「ねんきんネット」とは日本年金機構サイト内にある、年金の情報を確認できるサービスのこと。自身の年金記録が記載された「ねんきん定期便」の電子版も確認できます。

「お金に働いてもらう」ことで資産が増える!?

FP小沢さん 本田さんはすでに十分な収入も貯金もありますが、もっと資産を増やすためには、お金に働いてもらうことを意識すると良いと思います。

本田さん お金に働いてもらう……? どういうことですか?

FP小沢さん 投資信託は運用で出た利益を再投資することで、利益が利益を生む状態を作れる「複利効果」があります。投資信託を購入する際に、「分配金を再投資に回す」設定をすることで、複利効果を得られます。

本田さん なるほど。

FP小沢さん 本田さんはすでにNISAで投資信託の積み立てをしていますよね。現在、NISAは年間投資枠が360万円、最大総額1,800万円まで非課税で投資できるので、そこをフル活用することを目標にするのも良いと思います。

本田さん 以前はNISAの投資額は月3万円だったのですが、月10万円のNISAと月2万円の投資信託の計12万円に増やしたんです! 手元にお金が残っていると使いたくなってしまうので、投資に回そうと思って、金額を上げました。

FP小沢さん とても良いことだと思います! 本田さんはNISAの成長投資枠も活用していますか?

本田さん はい。個別株を買って、今年1年間で投資可能な分はほぼ満額で使いました。

FP小沢さん そうなんですね。それでも良いのですが、私はどちらかというと成長投資枠も投資信託にすることをおすすめしています。投資信託は分散投資ができるため個別株より比較的リスクが小さい上に複利効果があり、長期投資にとても有利な商品なんですよね。株はどうしても浮き沈みが激しくなってしまうのですが、投資信託は20〜30年と長く活用すればするほど、資産が増える可能性が高くなります。

FP小沢さんのまとめ:老後資金の見積もりをして将来に備えよう

「老後資金、いくら貯めたらいいんだろう」と、漠然とした不安を抱いている人は多いと思います。ですが、将来手元に入るお金や必要なお金を計算して数値化しておくことで、目標となる貯金額の目安を把握することができます。そこからどのくらいのペースでお金を貯めればいいのかを割り出せば、不安を解消することができますよね。本田さんの場合は、今のペースで貯金や投資を続けていけば順調に資産を築けると考えられます。この調子で頑張りましょう!

 

★第3回記事「資産を増やすだけでなく、未来とキャリアを見据えた自己投資をしよう」は9/17公開予定です

 

イラスト/斎藤充博
編集/ピース株式会社


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