仕事もプライベートも順風満帆!? …でも実は“キャリア迷子”《自分に自信がない編》｜キャリコン歯科衛生士のお悩み相談室#7
結婚を決めたとき、30歳を迎えるとき、役職がついたとき……。
ふと「自分のキャリアって、これでいいのかな」「そろそろ環境を変えてみようかな」と立ち止まって考える人も多いのではないでしょうか。さて、そんなときに押さえておきたいポイントって……？
今回はお悩み相談室の特別編。歯科衛生士歴6年目、半年ほど前に結婚した羽澤さん（仮名）との対談形式でお届けします。
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仕事もプライベートも順風満帆!? …でも実は“キャリア迷子”《“強み”がほしい編》｜キャリコン歯科衛生士のお悩み相談室#6
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目次
プロフィール
歯科衛生士／国家資格 キャリアコンサルタント
とみざわ さちこ／金融機関での営業職を経て、歯科衛生士にキャリアチェンジ。歯科衛生士養成校を卒業後、歯科クリニックや市役所、歯科衛生士養成校に勤務。現在は企業の人材確保・採用支援に関わる仕事に携わっている。
20代後半。歯科衛生士歴6年。首都圏を中心に展開する大型医療法人グループに勤務。この1年で主任に抜擢され、私生活では半年前に結婚するなど公私ともに転機を迎えている。
中堅DHが抱えるリアルなキャリアの悩み（2）：自分に自信がない
冨澤 歯科衛生士になって6年目。前回は臨床面での“専門性を持ちたい”というお悩みを伺いました。ところで、羽澤さんのここまでのキャリアで大きな転機だったのが、「主任」という役職がついたことですよね。
羽澤 はい、去年から主任になって、最近ではそれなりに慣れてきました。医院を「つくる側・運営する側」に立てたことが、とてもうれしいです。でも同時に、不安もずっとあるんです。
冨澤 具体的には、どんな不安でしょうか？
羽澤 主任として、これでいいのかな、という感じですかね……。私の前任の主任は、いわゆる“仕事がデキる人”。ただ、先輩のやり方をそのまま真似するのではなくて、良いところは受け継ぎつつ、改善できるところを自分なりに探してやっていこうと、前向きに取り組んではいます。でも、退職者が出ると、「もっと私が職場環境を改善できていたら、辞めなかったのかな？」と落ち込むこともあるんです。
羽澤さんの悩み
主任を任されてうれしい一方で、自分がしっかり役割を果たせているのか、自信が持てません。
冨澤 常に主任としての“あるべき姿”を思い描きながら、自分がどうしたらいいか考えているんですね。自分を客観的に見ながら行動するってなかなかできないことなので、とても立派だと思います。成長にも確実につながっているはずです。
羽澤 確かに、以前は退職者が出ても「寂しいな」と思うだけでしたが、それを「自分がなんとかできたかも」と考えるようになったのは、成長と言えるかもしれません。
冨澤 その通りです！ ほかに、主任になってからの変化はありましたか？
羽澤 私はもともと、自分から前に出るタイプではないんです。主任になるまでは、仕事についての話し合いの場でも、あまり発言していませんでした。でも、主任になってからは、自分の意見をしっかり持って、周りに伝えられるようになりました。
冨澤 それも大きな成長ですね。しかも、それを自覚できていることが素敵だと思います。これから主任として取り組みたいのはどんなことですか？
羽澤 みんながもっと働きやすい環境をつくりたいと思っています。例えば、今は「新人の仕事」とされていることも、量や負担を考えて、もっと全員で分担した方が良いかな、とか。
冨澤 一緒に働く仲間の様子を、よく見て動いているんですね。
羽澤 自分で気づくことのほかに、まわりからいろいろな意見をもらうことも増えています。大変だなと思うときもありますが、もらった意見は一つひとつ大事に検討しています。今すぐに実現できないことだったときにも、意見を出してくれた人に、できない理由をしっかり伝えるようにしています。
冨澤 素晴らしい！ 主任としてやるべきことを理解し、真摯に取り組まれていることが伝わってきます。マネジメント能力も確実に身につけているんですね。
羽澤 自分では「もっとこうしていれば」と反省することが多いのですが、こうして口に出してやってきたことを話してみると、いろいろな経験をして、できることが増えているんですね。「自分は成長できているんだ」って、気づくことができました。ちょっと自信が持てたので、まだまだ頑張れそうです！
冨澤 それは良かったです！ ちなみに、前回は臨床面での成長に行き詰まりを感じているというお話でしたけど、それについては、今はどう思っていますか？
羽澤 改めて考えてみると、思い切って自分が行動を起こせば、歯科衛生士として私のやりたいことを叶えられる気がしてきました。だから、今の環境を最大限に活かしてチャレンジしていきたいです。
冨澤 そうですね。私もお話を伺っていて、そのように感じました。
“少し先の未来”を具体的にイメージすると、やるべきことが見えてくる
冨澤 さて、しばらくは今の職場で頑張ろうという気持ちが固まったところで、少し先のキャリアを考えてみましょう。羽澤さんは今27歳ですよね。前回、認定歯科衛生士に興味があるというお話を伺いましたが、いつ頃までに、認定を取得した自分になりたいですか？
羽澤 40歳くらいまででしょうか……。
冨澤 そうすると、あと15年ないくらいですね。症例を集めるのにかかる時間を考えると、わりとあっという間だと思います。
羽澤 確かにそうですね。まだまだ先と思っていたけど、あまり時間がないのかもしれません。それから実は私、最近結婚したばかりなんです。
冨澤 おめでとうございます！ せっかくなので、今後のプライベートのイメージもお聞きしていきましょう。
羽澤 まだ結婚したてで具体的なライフプランはないのですが、夫と一緒に趣味を楽しめたらいいなと思っています。今はゴルフに興味があるんです。それから、ゆくゆくは子育てをするかも……という将来像もなんとなく描いています。
冨澤 それは楽しみですね。仕事を頑張って趣味も充実させて、もしかしたら妊娠・出産もして、となると、30代をどのように過ごすかを、今から具体的にイメージしていく必要がありそうです。
羽澤 なるほど。ぼんやりと「40代になればベテラン」と思っていたけど、よく考えるとあと10年ちょいで40歳ですし、30代ってプライベートも忙しくなる時期ですよね。認定取得となると今から考えて少しずつ行動していく必要がありそうだとわかりました。
羽澤さんが思い描く理想の将来像（ライフキャリア）
- 現在27歳
- 30代のうちに歯周病の認定資格を取得することが目標
- 40代になったら、患者さんや後輩の相談に即座に答えが返せるようになったり、自分で考えて動けることを増やしたりして、歯科衛生士であることをさらに楽しめるようになっていたい
- プライベートでは、夫と一緒に趣味も充実させたい
まとめ：「仕事に使える時間」は、時期によって変わる
20代のときは、40代までの期間はたっぷりあるように感じるかもしれません。しかし人生全体で考えてみると、30代は、仕事が軌道に乗り、趣味を楽しむ余裕も生まれる一方で、結婚・出産・子育てなどのライフステージの変化も大きい時期。仕事にかけられる時間は、今と同じではなくなるかもしれません。例えば、産休や育休などで仕事を離れる期間もありますし、復帰した後も、1日のうちで仕事にかけられる時間は大きく減ることが想像できます。
つまり、実は30代は、丸々10年間を仕事に使えるわけではないのです。これが、女性が30代以降のキャリアを考えるときの重要なポイント。だからこそ、20代の今のうちに、40代になったときの理想の姿を思い描き、それに向けた具体的なキャリア設計を考えてみることをオススメします。
3年後、5年後、自分はどうなっていたい？ さらにその先は？ そして、そのために今やるべきことは？ 仕事もプライベートも含めて、将来「なりたい自分」になるための道のりを描き、その上を進む自分を想像してみましょう。
おわりに
自分の意思で選んだ職場に新卒で入職し、学びと成長を続けている羽澤さん。自分で思い描いていた仕事内容以外にも、職場で与えられた役割に前向きに挑戦したことが、羽澤さんのキャリアをより豊かにし、人柄の魅力もさらに磨かれていると感じます。
結婚を機に生活が変化することで、仕事との向き合い方や付き合い方が変わっていくこともあると思いますが、羽澤さんならきっと良い方向に進んでいけるはず。応援しています！
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