【啓発活動で活躍】歯科衛生士インタビュー「“頑張らない”予防を知れば みんなもっとハッピーになれる」

歯科衛生士は「予防歯科」のプロフェッショナル。歯科医院で患者さんに指導をするだけでなく、保育園や学校、自治体など、さまざまな場所で予防歯科の知識を伝え、健康水準の向上に貢献している人がいます。

日本フィンランドむし歯予防研究会(JFSCP)に所属し、啓発活動に取り組む北山広子さんに話を伺いました。

*こちらは、2022年2月発行「就活BOOKクオキャリア春号」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は当時のものとなります。

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プロフィール

北山 広子さん(Kitayama Hiroko)
日本フィンランドむし歯予防研究会(JFSCP)理事

日本歯科大学新潟短期大学(1991年卒)/キシリトールマイスター、フィンランド トゥルク大学IIPD研修・カリオロジー研修受講/1999年に歯科医師の夫とともに北山歯科医院を開業。現在は臨床に関わる傍ら、JFSCPを通じて予防啓発活動に携わっている。二児の母。

★日本フィンランドむし歯予防研究会(JFSCP)
https://jfscp.gr.jp/

★北山歯科医院(埼玉県久喜市)
http://kitayama-dental.net/

“頑張らない”予防を知れば
みんなもっとハッピーになれる

予防歯科一筋! 学び続けた30年

学生時代の臨床実習で、予防歯科の大切さに目覚めた北山さん。

「実習先の大学病院では、さまざまな診療科を歯学部の学生と一緒に回りました。その中で唯一、歯科衛生学科の学生だけが実習を行ったのが予防歯科。今から30年も前ですが、そんな機会に恵まれ『予防歯科は歯科衛生士が担うものだ』という意識を持てました」

卒業後は予防に力を入れている一般開業医に就職し、院外でもさまざまなセミナーや勉強会に参加。その一つが「日本フィンランドむし歯予防研究会」だった。現在は同会の理事や「キシリトールマイスター」を務め、幼稚園等で保護者に向けた講演などを行っている。加えて、企業と連携しながら歯科衛生士学校での授業も担当。

「患者さんに正しい情報を伝えるためには、歯科衛生士が正しい知識を持っていなければなりません。そのために、まず教育から変えていきたいと考えています」

歯科衛生士学校でのキシリトール授業。学生それぞれに、ある症例に対して自分が担当したときをイメージしてもらうケーススタディを実施。“卒業の翌日から使える”生きた講義を心がけている。

歯科衛生士向けのオンラインセミナーでは、フィンランドでの事例や体験を交えて説明している。

肩の力を抜いた
楽しい予防歯科を広めたい

北山さんが考える“予防歯科”とは、「これをしなさい」「あれはしちゃダメ」と相手に押し付けるものではない。

「日本人、特に子どもを持つお母さんはすごく真面目で、砂糖の摂取量を控えたり、ブラッシングを頑張ったりしています。でも実は、正しいやり方さえ知っていれば、そんなに頑張らなくても虫歯や歯周病は防げる。それをフィンランドでの研修や勉強を通して知りました。肩の力を抜いて予防歯科に取り組むことで、子育てがもっと楽しくなるはず。また、歯科衛生士自身も気負わずに患者さんに歩み寄ることで、より良い関係性が生まれ、美容院のように気軽に歯科医院に通える環境につながると思うんです」

北山さんが予防歯科に取り組み始めて、約30年。しかし日本では、まだまだ予防歯科が浸透していないと感じている。

「この状況を変えていけるのは、これからの世代の歯科衛生士。誇りと自信を持って患者さんに向き合えるように、私の知識や経験をできるだけ伝えていきたいですね」

フィンランドの学校の食堂に貼ってある絵カード。カトラリーの準備などに関するものに加えて食後のキシリトールガム摂取について書かれたものも。それ以外にも、街の各所で絵カードが用いられる

キシリトール研究の世界的第一人者・カウコ・マキネン教授と。

 

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