見学や面接に来た学生に対し、最も重視するポイントは?|172医院に大調査#1
クオキャリアが発行している就活BOOK「クオキャリア秋号」の掲載医院に、新卒歯科衛生士の採用についてアンケート調査を実施。今回の調査にご協力いただいた医院は就業環境を整え、育成にも力を入れているところばかり。そんな医院のリアルな声をお伝えします!
回答した医院は…
直近3年の新卒DH採用数 平均4.2名
2桁採用の法人も含むDHに人気の医院!
*2024年6月~7月クオキャリア実施:就活BOOKクオキャリア秋号掲載医院へのアンケート調査より[有効回答数:172名]
*コメントのカッコ内について(回答者の肩書き)
★172医院に大調査
第1回 見学や面接に来た学生に対し、最も重視するポイントは?(こちらの記事)
第2回 ぜひ採用したい! 魅力的な新卒学生はこんな人(11/25公開予定)
第3回 印象悪化につながる やりがちNG行動はコレ!(12/9公開予定)
目次
歯科医院に聞いてみました「見学や面接時に最も重視するポイントは?」
「素直さ」「意欲・熱意・積極性」が同率1位という結果になりました。新卒を採用するにあたっては未経験で技術もないことが前提のため、「いま完璧であること」は求められません。医院が新卒に期待するのは「伸びしろ」。今後戦力になりそうか、戦力になるところまでついてこられるかを判断するうえで、「素直さ」と「意欲」が大事なポイントとなってくるのです。
それでは各回答についてのコメントから、実際どこを見て判断しているのかや、それぞれの要素を重視している理由を見ていきましょう。
1位 素直さを重視!
- 最初の出来不出来は大きな問題ではなく、素直さが本人の成長のために最も大切だと考えているから。面接では、発言内容はもちろんですが、表情やしぐさ等も見て判断させていただいています(理事長)
- 相手の目を見て話をすることができるか、質問されたことに対して拙くてもいいので自分の言葉で一生懸命相手に伝えようとする意思があるかどうかなどをポイントとして判断しています(事務)
- 素直な方ほど就職後の成長が大きいため(理事長)
- 素直に話が聞ける態度をお持ちの方は、患者さんにも寄り添えると考えます(院長)
- ミスや間違えてしまうことは誰にでもあるが、誰かのせいにしたり言い訳したりしないことが重要。スタート時の成長スピードに個人差はあっても、人の話を素直に聞ける人が最終的に伸びると考えています(事務長)
- 素直さを持っている人であれば、真面目に業務に取り組み、着実に成長し、医院として大切にしたい想いやルールを守り、周りとの調和をはかることができるはず(事務長)
- 当院の考え方や方針を話した際の表情やうなずき、それらに対する返事の内容。また過去のアルバイトや実習先での経験談を聞きながら、素直さを見ております(事務長)
- 素直な人の方が成長している。スタッフとの人間関係も築きやすい(理事長)
- これから共に働いていく可能性がある歯科衛生士さんに対して、当院の理念や治療方針、仕事観を共有していく上で、受け入れてくれる素直さが重要だと考えている。素直に話を聞き入れ、プラス発想で考え、メモをとるなどしているかどうかなどを重視しています(院長)
- 素直でないと先輩の意見に耳を傾けてくれなくなり 結果として成長しないから(院長)
- 面接では用意してきた返答以外にも、コミュニケーションの中で素の言動を見ています(採用担当)
2位 意欲・熱意・積極性を重視!
- 歯科衛生士として成長したいという思いのある学生と働きたいです。自分から「やりがい」を見つけ、展望を描いて取り組める人であれば就職後に活躍してくれると思います(歯科衛生士(教育担当))
- 歯科に対してのこだわりや、なぜ自分にとって歯科だったのかということが、その後のモチベーションにつながるように感じます(採用担当)
- 見学中に興味をもって質問してくれると、意欲があるなと感じます。また当日案内をする衛生士とコミュニケーションを取れているかを見ています(理事長)
- 応募しようと思ったきっかけを質問したときに具体的なエピソードなどを混ぜて話してくれる人は、思い入れがあると判断しています(院長)
- 当院では成長には目的、目標設定が大切だと考えています。何となくでもなりたい姿があればそれに向かっての熱量があるはず。自分の未来を描けているかや質問を積極的にしてくれるかで、熱量を判断しています(理事長)
- 将来的になりたい衛生士像、社会人像があるかどうか(院長)
- 自ら学ぶ意欲がないと成長しないため(理事長)
- さまざまな診療分野を取り扱っているので、学びたい意欲ややる気がないとある程度難しい可能性があるため(採用担当)
- 歯科衛生士を目指した理由からなりたい歯科衛生士像が繋がっているか。繋がっていなかったとしてもエピソードが語れるか。また、その理想像がこちらの求めているものと一致するか。その理想像から意欲・熱意・積極性を判断しています(採用担当)
- 当院の方針・理念に対しての共感がないとミスマッチングになるため(院長)
3位 受け答えの仕方(態度・表情・言葉遣い)を重視!
- 言葉遣いや表情から接客に対する適応力を判断する(理事長)
- 笑顔や患者様への対応をみれば実際に働いてるときのイメージができるから。内容は気にしません(理事長)
- 会話の自然なやりとりから、患者さんやスタッフとの光景を想像している(理事長)
- 目を見ながら人の話を聞いているか返答しているかで真面目に仕事に取り組もうという姿勢が分かる(院長)
- 当院では医療であってもお客様との距離が近い業務内容となるため、表情管理、言葉遣い、声のトーン、身だしなみ、コミュニケーション能力等、その方の良さを自然に引き出すように人柄を見て判断しています(事務長)
- 緊張の中にも笑顔があるか、レスポンスが早いかなど。例えば「ここまでどうやってきましたか?」という質問に対して簡潔に自分の言葉でまとめられるか、など(採用担当)
- 見学説明会でスライドを見ているときの姿勢や、質問をした時の受け答えなど。また、診療室見学の際、既存スタッフに対し節度をもった話し方をしているかどうか。目線。相手の目を見て話すことができる人かどうか(採用担当)
- 患者様の不安を和らげ、適切な説明やアドバイスを提供するためのコミュニケーションスキルを求めており、受け答えの中での誠実さや対人能力を評価している(採用担当)
- 態度や言葉遣いでどのような環境で生活してきたかを判断します(院長)
4位 相手の話を聞いて的確で自然な受け答えができることを重視!
- まず、挨拶が十分にできるかを確認しています。患者様とのコミュニケーションにおいて、しっかり挨拶ができ、話を聞き、必要な回答が出来ることを当院では重視します(事務長)
- お話する中での質疑で的確に理解できているか、考えてきたコメントでなく自然なコメントで話しているかは気にしています(事務長)
- 新卒の方は、聞いて覚えることがたくさんありますし、患者様の話を聞く事も大事ですので、何気ない会話の中で 話をきちんと聞いて理解しているか判断しています(採用担当)
- 他のスタッフと円滑に仕事ができるかどうかに関係するから(採用担当)
- 質問に対しての答え方、こちらの説明に対する受け取り方など、その人の考え方が現れるポイントであり、しかも、入職後改善したり修正したりすることが難しいため(院長)
- 質問の意図や、自分の考えをしっかり汲んでそれを発言できるかをみています。歯科衛生士さんは喋るのも大切な仕事の一部なので、素質があるかを判断しています!(採用担当)
5位 第一印象を重視!
- 患者様が最初に感じるであろうことを重要視しているため(理事長)
- 身だしなみや、部屋がぱっと明るくなる様な雰囲気があるかどうか(理事長)
- 患者さんにも、最初の印象がとても大事だと思うから(院長)
- 患者様に対してもスタッフに対しても信頼関係を築いていくうえで特に重要なため。最初の挨拶や表情、声の大きさ、トーンなど(採用担当)
- 入り口を入って受付にどういう感じで話すのか、その後の面接場所までどんな態度(様子)で入ってくるのかと、第一声をどう切り出すのか(事務長)
まとめ
1位から5位を紹介しましたが、中には項目をまたいで似たような回答もあったのではないでしょうか。多くの回答がコミュニケーション(相手とのやりとり)にかかわる内容です。元々の性格や素質に関わる内容もありますが、ちょっと気をつけるだけで相手への見え方が変わることもあります。せっかく「この医院で絶対働きたい!」と思っても、それが相手に伝わらなければ意味がありません。見学や面接の場では、ぜひこれらの意見を参考にしてみてください。
*こちらは、2024年9月発行「クオキャリア秋号」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は取材時のものとなります。