新卒歯科衛生士の育成方針や、新人研修のポイントを教えて!|101医院に大調査#6
クオキャリアが発行している就活BOOK「しゃほかんV」の掲載医院に、自院の新人育成の取り組みに関するアンケート調査を実施。
新卒歯科衛生士のための環境を整え、育成に力を入れている歯科医院のリアルをお伝えします!
回答した医院は…
直近3年の新卒DH採用数 平均4.4名
2桁採用の法人も含む歯科衛生士に人気の医院!
*このコーナーのコメント・各種データは「しゃほかんV」掲載医院へのアンケート調査結果をまとめたものです(2023年10~11月クオキャリア実施/有効回答数:101)
*コメントのカッコ内:回答者の肩書き
★新卒DHを大切に育てるための取り組み|101医院に大調査
第1回 歯科衛生士が長く働けるよう、どんな待遇面の取り組みを行っている?
第2回 歯科衛生士の新人研修期間は?
第3回 教育体制は誰がどんなふうに教えている?
第4回 歯科衛生士が長く働けるよう、どんなキャリアサポートを行っている?
第5回 勉強会の開催頻度や内容は?
第6回 新卒歯科衛生士の育成方針や新人研修のポイントを教えて!(こちらの記事)
目次
新卒歯科衛生士の新人研修・教育体制のポイント
段階を踏んでしっかり学べる
- 安心して業務を行えるまでは患者様を担当せず、それまでは先輩達が指導するようにしています(理事長)
- 当院は「どこよりも教育体制に力を入れている」と胸を張って言えます。具体的には、2ヶ月の初期研修後も手技の指導をじっくり行い、実際に患者様を担当するまでには半年ほど時間をかけます(採用担当)
- まずは講義から始まり、実技をし、先輩の口を借りて模擬実施。その後スキルアップチェック(テスト)を行い、合格すると患者様デビュー。いきなり一人ではなく、先輩が必ずついて一緒に行いますので、不安なく患者様デビューができます(教育担当)
- 常勤DH10名と、在籍DHの人数が多いため、様々な技術を学ぶことができます。先輩DHのやり方を見て学び、実践した後にはフィードバックがあるため、できているところ・できていないところをしっかりと把握することができます(採用担当)
ドクターや先輩が丁寧にフォロー
- 研修期間は決めず、個人の能力に合わせて5人の先輩衛生士全員が根気よくフォローするので、気付いたら一人前の衛生士になっている。それが当院の特徴です(理事 副院長)
- 新卒の配属先には、必ず卒後2~3年目のDHがいるので、相談・質問をしやすい環境が整っています(採用担当)
- 各種マニュアル・教育カリキュラムはあって当たり前。毎年ブラッシュアップしています。教育は、誰か一人だけに任せるのではなく、医院全体でフォローアップする体制を構築しています。大型歯科医院にはないメリットを活かし、個々が才能を発揮できる環境をつくっています(理事長)
- 優しい先輩ばかりで働きやすい環境です。年齢も幅広く40代50代の優しい先輩もいますので、その方に合った先輩を選んで指導しています(院長)
- 試用期間の3ヶ月は指導担当衛生士と休みを揃えて共に行動します。アシストについても同じ指導担当歯科衛生士が横について指導します(院長)
- DHが指導をすることがメインですが、院長にも気軽に指導を受けたりできる環境です。DH、DR隔てなく質問ができる環境なので安心して取り組んでもらえます(理事長)
学べる時間をしっかり確保
- スタッフルームにおける座学の時間、勤務時間内の練習時間の確保など、ライフワークバランスを取れるようにカリキュラムを作成しています(院長)
- 新人歯科衛生士の予約時間は大幅にゆとりを設け、先輩歯科衛生士や歯科医師の確認・フィードバックを行っている(院長)
- 教育担当のDHは、新卒研修日は終日アポを切り新人指導の時間を確保しています(採用担当)
- インプラントオペの時は、他の診療の時間調整をして、オペ担当以外のスタッフは研修を実施。またアポイントをブロックして、隙間時間に研修を行うこともあります(理事長)
- 動画マニュアルにて好きな時間に復習ができるようにしています。入社後3ヶ月の研修期間では、就業時間内に復習、練習ができるようにしています。先輩からの指導もあり、日報を通じて質問が好きな時間帯にできるなどしています(院長)
- 前回入社した新人は週1の勉強日を設け、自由に見学できる日を設けた(理事長)
- 研修は全てアポイントを入れずに勤務時間内で行っている。希望があれば、お昼休み時間をずらし、マンツーマンで苦手分野の克服練習を行う個人研修制度を設けている(理事長)
- 月一のミーティングの時間の半分(30分程度)を勉強会の時間にしています(院長)
接遇や社会人マナーの研修も実施
- 当院では、歯科の研修はもちろんのこと、一般社会人向けの仕事のルールなどを学ぶ機会も、外部研修を含め適宜設けています。仕事の「やり方」よりも「あり方」を理解した方が仕事のやりがいをより感じられるはず。どこに行っても通用する社会人になることは、プライベート含めたご自身の将来のためになると考えているためです(院長)
- 歯科のことだけでなく、社会人として知っておきたいことなども研修しております。(例)税金対策、貯蓄の話、メイクアップ講習など(採用担当)
- 接遇の勉強会では、正しい言葉遣いや名刺の受け渡しの仕方など社会人としても成長できるように工夫しています(理事長)
- ビジネスマナーや衛生士の基本、院内規律、診療補助など座学から始めます(教育担当)
新卒歯科衛生士の教育方針
- 目標や資格取得など、どのような歯科衛生士を目指しているのかを確認しています。各々がなりたい歯科衛生士になれる教育をしていく(歯科衛生士/教育担当)
- 新人と同じ目線に立って指導することを心がけています(院長)
- 開院以来、常勤は新卒のみしか採用してこなかったことが最大の実績です。その中で育ったDHさんが患者さんに寄り添った歯科医療を提供してくれているからこそ着実に増患できています。衛生士予約枠も誕生してキャンセル待ちまで出ている状況ですので、新たな新卒衛生士さんの募集が行える状況になっていると思います(院長)
- 当院で働く社員が「ずっと働ける、ずっと成長できる、ずっと輝ける」ことを考え、ライフステージの変化にも柔軟に対応しながら、共に歩んでいきたいと思っています。そのため、しっかり働いてしっかり自分の時間も充実させてもらいたいという想いから終業時間は早めに設定しています。また当院は小児歯科ですが、小児だけでなく成人や矯正、審美など幅広く学ぶことができるのもポイントです(理事長)
- 教育に関して、誰か一人に任せる(責任を押し付ける)のではなく、医院全体でフォローアップする環境を構築しています。大型歯科医院にはない、メリット(特徴)を活かし、個々の才能を発揮する環境を作っています(理事長)
まとめ
研修カリキュラムやマニュアルの有無は募集要項で確かめることもできますが、ここに挙げられたような仕組みや体制の整備から理念、雰囲気づくりは、事前の確認はなかなか難しいかもしれません。
ぜひ説明会や見学の機会を利用して、気になる“実際のところ”を見たり聞いたりしてみてくださいね。
*こちらは、2023年11月発行「しゃほかんV」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は取材時のものとなります。