「老後資金ってどう考えればいいですか?」|歯科衛生士の不安をお金のプロに相談してみた!#3
歯科衛生士って、手取りはいくらで、お給料をどう使っているんだろう……? みんなのお金の話って気になるけれど、話しにくいですよね。
現役歯科衛生士さんが、ファイナンシャルプランナーの小沢美奈子さんにお金の悩みを相談する連載です。
今回お悩みを相談するのは歯科衛生士7年目の谷川さん(仮名)。
現在妊娠中で、出産後のお金に不安を抱えているそうです。
第1回 20代で1,500万円の資産を作った歯科衛生士の家計って?
第2回 出産後の家計と貯蓄が不安です
第3回 老後資金ってどう考えればいいですか?(こちらの記事)
谷川さん(仮名)
20代後半。配偶者との2人家族。歯科衛生士になって7年目。現在第一子を妊娠中。出産に伴う働き方の変化や、老後資金に不安を抱えている。
ファイナンシャル・プランナー 小沢美奈子さん
大学卒業後、損害保険会社(現あいおいニッセイ同和損保株式会社)に就職し、事務、社員教育、講師など幅広く経験。その後転職を経て、2015年に独立。日経WOMANなどでもマネー記事を執筆するなど、マネーライターとしても活動中。
https://kandbplanning.org/
目次
育児で収入が減るので、老後資金が不安です
谷川さん 前回、出産後は働き方を変えることになりそうというご相談をしました。今の段階では時短正社員になるか、それともパートになるかは決めていません。でも、いずれにせよ現在より収入が減ることは間違いなさそうです。
そこで不安なのが「老後資金」です……。収入が減り、子育てにお金もかかる中で、老後に必要な資金がちゃんと確保できるのかが気になっています。
FP小沢さん 老後資金については、いろいろな情報も出てきて不安になりますよね。ただ、谷川さんの場合、基本的に老後の資金を不安に思う必要はないでしょう。詳しく説明しますね。
できるだけ厚生年金に入り続けよう
FP小沢さん 谷川さんご夫妻の老後のメインの収入は、年金になると思います。そこで「日本の公的年金制度は2階建て」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
公的年金には2種類あります。一つは日本に住む20歳以上の人が全員加入する国民年金です。そしてもう一つは企業などに勤務している人が加入する厚生年金です。厚生年金に加入=自動的に国民年金にも加入しているシステムになっているんです。つまり厚生年金=「国民年金プラスα」と考えると分かりやすいでしょう。
谷川さん 私も夫も会社員で、2人とも厚生年金です。
FP小沢さん 夫婦で厚生年金がもらえるのは老後において十分な安心材料になります。なんといっても、加入者が死亡するまで、一生年金を受け取ることができますからね。
谷川さん ひとまず安心できました。ただ、育児をするにあたって、ずっと歯科医院で働き続けられるかという心配はあります。どこかで専業主婦にならざるを得ないかもしれません……。
FP小沢さん 谷川さんは歯科衛生士なので、一時的に働けなくなったとしても、再就職は難しくないはずです。復帰すればまた厚生年金に入ることができます。
谷川さん 厚生年金に入るには正社員でなくてはいけないのでしょうか? パートでも入れますか?
FP小沢さん パートではある一定以上働くと厚生年金に加入できます。ここで一つ注意点があります。ときどき、厚生年金の保険料は給料から天引きされるので、「手取りを増やすために厚生年金に入らないように労働時間を調整したい」という方がいるんです。ただ、こういった働き方は、老後のことを考えるとあまりお勧めできません。
厚生年金は長く加入し続けるほど増えていきます。老後の心配を減らすためには、できるだけ長い期間厚生年金に入るようにした方がいいですね。
親の老後についてカジュアルに話しておこう
谷川さん 自分たちだけでなく、母の老後についても心配しています。父は既に死別しており、母は一人暮らしです。入院や介護が必要になった場合は、いままで育ててくれた恩返しをしたいと思っているのですが、今後どのくらいの額が必要になるか分からず、不安に思っています。
FP小沢さん 30代後半くらいになると、多くの人が悩むことでもありますね。谷川さんが20代後半と比較的早い段階で気にされているのは、とてもお母様を気遣っておられると感じました。まず、お母様の資産状況は把握されているでしょうか?
谷川さん 母の資産状況については、全くわかっていません……。
FP小沢さん それは不安になりますよね。お母様が老後について準備している可能性もありますし、なんの準備もない可能性もあります。いずれにせよ、マネープランが立てにくい状況ではありますね。
谷川さん 娘として、どうすればいいでしょうか?
FP小沢さん かしこまらない雰囲気で、カジュアルにお母様とお話しされておくといいでしょう。これまで話しにくかったかもしれませんが、今のうちがいいんです。年齢を重ねるとより問題が身近になり、深刻になってしまいます。
谷川さん カジュアルに、ですね。できるだけ話すようにしてみます!
FP小沢さんのまとめ「笑顔で家計運営を」
FP小沢さん 谷川さんはかなり先のことや、お母様のことも含めて心配されていました。ただ、これまで無駄遣いせずに1,500万円を貯められたという実績を考えると、基本的には問題はないでしょう。
今後もお金の話をうまくしながら、笑顔で家計運営をしていただければと思います!
おまけ:お財布、どこの使ってる?
夫からプレゼントしてもらったセリーヌの三つ折りです。ある程度小銭も入れやすく、とても気に入ってます。
基本的には楽天カード決済で、なるべく現金は持ち歩かないようにしてます。多く入れている日でも、基本3万円以下。いつも持ち歩くカード類は、免許証と健康保険証、楽天銀行と楽天カードと、百貨店の株主優待(10%オフになります)のカードです。
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