歯科衛生士が上京就職するメリット・デメリット&成功のポイントとは

皆さんの中には、地元を出て東京や大阪などで就職しようと考えている方も少なくないでしょう。
一方で、都心部に出て働きたいという気持ちはありつつも、一人暮らしや知らない土地にいくのが不安、お金がかかるといった理由からなかなか決めきれない……という方もいるかもしれません。
そこで今回は、歯科衛生士が上京して就職するメリット・デメリットや、遠方からの就職を成功させるポイントについて解説します。

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県外で&上京して就職するときのチェックポイント|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#33

歯科衛生士が都心部に就職するメリット

メリット1.歯科医院の数が多い

歯科衛生士については、一般的な事務職などと比べて「地方だと就職先がない」ことはあまり考えにくいですが、都道府県別にみた人口10 万対歯科医師数を見ると、東京都が 118.4 人と最も多いのに対して一番少ない青森県は56.5 人と、その差は2倍以上※。
幅広い選択肢から就職先を選びたいという方は、大都市の医院も検討してみた方がよいかもしれません。
また、新しい歯科医院が次々とオープンしているほか、先進的な診療に取り組んでいる医院も多いのが都心部の特徴。オープニングスタッフとして働きたかったり、審美などの専門分野に興味があるといった場合も、都会の方が選択肢が多いでしょう。

都道府県(勤務地)別にみた人口10 万対歯科医師数

トップ3
東京都 徳島県 福岡県
118.4人 112.6人 104.1人
ワースト3
青森県 島根県 滋賀県
56.5人 58.1人 58.2人

※厚生労働省 令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

メリット2.給与水準が高い

東京や周辺の県、または大阪・名古屋といった大都市は、他の地域と比較して給与が高い傾向にあります。また大型の法人など、大企業なみの福利厚生を用意していたり、評価・昇給制度がきちんと整っていたりする医院も少なくありません。収入を生涯というスパンで考えた場合、地方との差はさらに大きくなるでしょう。頑張りや実力次第でより高い給与を目指せるチャンスも多いため、どんどんステップアップしていきたい方、収入にこだわりたい方は、ぜひ都心部での就職を検討してみましょう。

東京と地方でこんなに差が出る!【給与比較試算表】

月給※1 年収※2 10年収入※3
東京 263,551円 3,795,138円 41,555,697円
地方エリア※4 239,791円 3,452,992円 37,809,298円
差額 23,760円 342,146円 3,746,399円

※1 2023年度クオキャリア掲載医院の新卒給与平均にて算出
※2 月給×12ヶ月+賞与(給与の8割を基本給と想定×3ヶ月分で試算)
※3 月給が毎年2%ずつ昇給すると仮定して算出
※4 関東1都3県、関西2府2県、愛知県を除いたエリア

メリット3.教育体制が整った医院が多い

都心部には規模が大きく、スタッフ人数の多い歯科医院も少なくありません。そういった医院はそれだけ人材採用・育成実績があるということ。マニュアルや研修カリキュラムがしっかり整っており、新卒で入職した歯科衛生士が在籍していることも多いでしょう。また教育に人を充てる余裕があるため、教育担当の先輩は研修期間は診療に入らず新人育成に専念しているという医院も見られます。そのように人員にゆとりがある医院であれば、成長を急かされることなく自分のペースでスキルアップできそうです。

歯科医院での新人研修については『101医院に聞きました「新人教育・研修リアル調査」』でも紹介していますので、参考にしてみてください。

メリット4.講習会・セミナーに参加しやすい

講習会・セミナーなどはやはり東京・大阪で行われることが多いので、東京やその近郊、大阪に住んでいた方が参加に断然便利です。遠方からだと受講するのに時間と交通費もかかるため、学びへの意欲が高くても機会が限られてしまうでしょう。近年ではオンラインでの実施も増えたとはいえ、手技の講習や、歯科衛生士同士の交流機会という面から考えると、やはり実地の方が得られるものは多いはず。外部講習にも積極的に参加してどんどんキャリアアップしたいと考えている方は、ぜひ首都圏や大阪での就職を検討してみてください。なりたい歯科衛生士像を実現するための近道になるかもしれません。

歯科衛生士のキャリアアップについては『歯科衛生士の“ステップアップ”は、診療スキルだけじゃない!|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#22』でも紹介していますので、参考にしてみてください。

メリット5.遊べる場所がたくさんある

毎日の生活を充実させるためには、仕事以外のプライベートの過ごし方も大切。東京など都心部は食事や買い物をする場所や文化的な施設も豊富にあり、オフも存分に楽しめるはずです。「何か習い事をしたい」といった場合も大抵のことなら実現でき、しっかりリフレッシュしながらワークライフバランスの取れた生活を送れそうです。家でゆっくりするよりも外出するのが好きな方は、退勤後や休日に遊びに出やすい場所かも含めて就職先を考えてみましょう。

歯科衛生士が都心部に就職するデメリットと解決法

デメリット1.就活が大変

学校に届く求人票は地元の歯科医院のものが中心となるため、県外や遠方への就職の場合はWEBサイトなどを使って自分で職場探しをすることが必要です。その土地のこともわからない中で、どうやって医院を絞り込んでいったらいいか、迷ってしまうかもしれません。
また、見学や面接に行くのに時間や費用がかかることもデメリットです。あちこち見学したりするのは難しく、ある程度絞り込んだ上で医院を訪問することになるでしょう。


<こうすれば解決>

・WEBサイトをフル活用!

WEBサイトに動画やインタビュー記事が載っている場合は、そこから院内の雰囲気や先輩のことを知ることができます。また「遠方からの就職歓迎」「面接時の交通費支給」そんなワードにも注目!

・就活イベントに参加する!

一日で多くの医院と話ができ、気になる医院があればその場で見学・面接の予約もOK。クオキャリアの就活イベント「DH就活フェス」では、オススメの医院から就活のやり方まで何でも相談できる「求人コンシェルジュ」コーナーもあるため、一気に就活が進みます。また県外就職を希望している方向けに、自宅から参加できる「DH就活フェスオンライン」も行っています。

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・就活は早めにスタート!

新卒の場合、授業や実習があると見学や面接に行く時間を取るのが難しくなるため、夏休みを活用するのがベスト。夏休み中に訪問できるよう、早めに医院探しを始めましょう。


デメリット2.家賃がかかる・物価が高い

一人暮らしを始めると家賃や生活費を自分の給与から支払わなければならないため、実家暮らしの場合よりも自由に使えるお金は少なくなります。加えて実家が遠方の場合は、帰省の際の交通費もそれなりの負担になります。また都心部は地方と比較して物価が高く、何かとお金がかかるもの。収支をしっかり管理しながら生活することが必要となるでしょう。


<こうすれば解決>

・寮完備の医院を探す!

中には、格安で住める寮を用意したり、地方出身者のためにマンションを借り上げてくれたりする医院もあります。特に同じ寮に地方出身の先輩や同期が住んでいれば、寂しさや生活面の不安も解消できそうです。

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・家賃・引っ越し代補助をチェック!

遠方からの就職の場合、できるだけ「家賃・引っ越し補助」がある医院を選ぶ方がよいでしょう。待遇に「家賃補助」とだけ書かれている場合は、期限がないかや金額も要チェック。

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・家賃の安い地域を選ぶ!

都内でも中心部とそれ以外では家賃がかなり違うため、周辺地域で探すのも一つの方法。例えば、職場・住居とも東京に出やすい近隣エリア(神奈川・埼玉・千葉)にする方や、職場は東京でも住居は周辺の県にするケースなども多くあります。また、事務の人が家探しを手伝ってくれたりする場合もあるので、オススメのエリアなどを相談してみては。


デメリット3.知り合いがいない

大抵の場合、職場の人のほかに周りに知人がいない状態でのスタートとなります。新しい土地、新しい職場、初めての一人暮らしということで、気軽に相談できる人が近くにいない状況だと、寂しく不安に感じる人もいるでしょう。また、遠方に就職すると地元に帰る機会が限られてくるため、地元の友人との接点は少なくなってしまうかもしれません。


<こうやって解決>

・地方出身の先輩がいるか確認!

地方出身の先輩がたくさんいる医院だと、生活のことなども相談しやすいはず。一人暮らしのことを心配して食事に誘ってくれたり、病気のときに差し入れをしてくれたりなんてことも。

・郊外の「地域密着型医院」に注目!

都心から少し離れた郊外エリアの、地域密着型の医院もオススメ。街自体が落ち着いた雰囲気で住むのにも安心ですし、スタッフ同士や患者さんとの関係もアットホームなことが多くなじみやすいはず。「上京したいけどいきなり都心は怖い」という人はぜひ検討してみましょう。

・帰省しやすい場所に住む!

地元に頻繁に帰ろうと考えている場合は、帰省しやすい場所に住むのがgood。新幹線の停車駅やそこから出ている路線沿いだと便利でしょう。程よく栄えているけど物価は安い穴場エリアもありますよ!


遠方へ就職する場合の「就活~入職フロー」

1.情報収集

目安時期 夏休み前 まで

地方から転居して就職したいと考えている場合、早めのスケジュールで動くのが望ましいでしょう。新卒なら夏休みに見学に行けるよう、それまでに医院を絞り込んでおきたいところです。
医院探しには、WEBサイトを活用するほか、合同就職説明会に参加するのもオススメ。一日でたくさんの医院の院長や先輩の話を聞けて、遠方からの就職についても気軽に相談できます。

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2.医院見学

目安時期 夏休み中

見学には、夏休み中に行くのがベスト。1回の上京で複数医院の見学を受けられるように調整すると効率がよいでしょう。
なお、待遇が求人票から変更になっている場合も考えられるので、転居サポート(家賃・引っ越し代補助)については、応募をする前に詳細を確認しておいた方が安心です。「面接時の交通費支給」という記載があったら、対象となる範囲(在来線やバスを含め全額か、新幹線代のみかなど)や、領収書など証明書が必要かについて(紙の書類が必要か、メールなどの購入履歴の提示などでよいかも)も要確認!

労働条件の確認については『内定後の取り交わし|教えて!ビーバー先生 クオ子の就活トラブルSOS #3』でも紹介していますので、参考にしてみてください。

3.面接・内定

目安時期 年内

人気医院の採用枠はどんどん埋まっていくと考えられるので、枠が多いうちに決めておきたいもの。遅くとも年内には就活を終え、年明けからは国試の勉強に専念できるようにしましょう。
また医院に訪問した際は、住むのにおすすめの地域について相談したり、医院周辺や転居先候補に考えているエリアの様子を見て回ったりしておくのがオススメです。

4.住居探し

住居についても早めに決めたいところですが、ほとんどの場合で実際の入居に関わらず申し込み後から家賃が発生しますので、不動産会社の人と相談しながら進めましょう。
実際に申し込むのは国試後にするという場合でも、希望エリアを絞り込んだり、不動産会社のサイトを見て候補を探したり、事前に相談しておくとスムーズに住居を決められそうです。

5.転居・入職

いよいよ新しい生活がスタート! 事前に余裕を持って転居および各種手続きを終えておくと、落ち着いて出社初日を迎えられるはずです。何か困ったことがあったら、仕事以外のことでも院長や先輩に相談してみましょう。

引っ越しに伴う主な手続き

  • 転出届(引っ越し前)
  • 転入・転居届(引っ越し後)
  • マイナンバーや運転免許証などの住所変更
  • 銀行口座・クレジットカード・各種サービスの住所変更
  • 電気・ガス・水道・ネット回線の申し込み・開始手続き………

まとめ

地方からの上京就職を成功させるためには、立地や一人暮らしサポートなど上京就職だからこそチェックしておきたいポイントがたくさんあります。この記事を参考に、どんな職場なら充実したDHライフを送れるかを考えながら、就職活動を進めましょう!

 

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