新卒歯科衛生士が初めて一人で診療する目安時期は?|101医院に聞きました「新人教育・研修リアル調査」PART.2
クオキャリアが発行している就活BOOK特別版「しゃほかんV」の掲載医院に、自院の新人教育や研修の内容についてアンケート調査を実施。新卒歯科衛生士のための環境を整え、育成に力を入れている歯科医院のリアルをお伝えします!
*このコーナーのコメント・各種データは、「しゃほかんV」掲載医院へのアンケート調査結果をまとめたものです(2022年10月クオキャリア実施/有効回答数:101)
*コメントのカッコ内:回答者の肩書き
★新人教育・研修リアル調査|101医院に聞きました
第1回 新卒歯科衛生士の新人研修期間は?
第2回 新卒歯科衛生士が初めて一人で診療する目安時期は?(こちらの記事)
第3回 診療デビュー前の確認テストはある?
第4回 どんな診療マニュアルをどう使っている?
第5回 教育体制はマンツーマン? 誰がどんなふうに教えてる?
第6回 勉強会の開催頻度や内容は?
第7回 新卒歯科衛生士の育成方針や、新人研修のポイントを教えて!
目次
新卒歯科衛生士が初めて一人で診療する目安時期は?
入職から【1ヶ月後】
- いきなり「やっといて」ではなく、あらかじめアポイントを決めて予習してから実践するようにします(院長)
- 簡単なことから1人で行って頂きますが、研修期間中の3か月は担当の先輩がそばにつきます。それを超えても本人が自信を持てるまでは、先輩がそばにつきます(事務長)
- 子供のメンテナンス等簡単な処置からになります。また隣のユニットでは先輩歯科衛生士が常に状態に気を配りながら仕事をしているので、わからない事はいつでも質問できます(院長)
- 担当可能な症例をこちらで選んで、診療の流れも事前に説明、相談してから臨んでもらいます。必ず担当の先輩やドクターなどがついて、手技の確認を行いながら診療を進め、最後は必ずチェックを行います(院長)
入職から【2ヶ月後】
- 2ヶ月ですべてが独り立ちできるわけではないですが、できることから一人でやっていってもらいます。不安なことやわからないことは院長や先輩がチェックします(理事長)
- 何度も練習して不安を解消してから、マニュアルに沿って、お子さんのブラッシング、メンテナンスやシーラントなどの処置を行なってもらいます(理事長)
- 人によるので、患者さんも選びつつ無理のないようにします(理事長)
入職から【3ヶ月後】
- 習得が早い方は入職2ヶ月後から一人で施術に入っていきますが、常に先輩スタッフがそばにつきフォローアップしています。経験させることで自信を持たせ、達成感を感じてもらいます(事務長)
- 当医院では独り立ち期間を3ヶ月後と区切って明確化しています。そうすることで、社会人としての自主独立の意識づけ教育の一つにもなります(採用担当)
- 1人で診療するようになっても、本人が自信を持てるまでは担当の先輩がそばにつきますし、診療時間内でも適宜アドバイスを求めたりアドバイスをしたりしていきます(採用担当)
- 基本的なチェアタイムは30分ですが、新人さんは慣れるまではチェアタイム1時間で焦らずに診療ができるようにしています(理事長)
入職から【6ヶ月後】
- 簡単な症例から担当していき、適宜先輩衛生士や担当Drと相談しながら進めていきます(理事長)
- ミスのないよう、毎回スケーリング等の後チェックします。ミスチェックがかからなくなってきたところでチェックを外します(院長)
- 最初は簡単なケースから始めるとともに、新人の個室の隣にはベテランの歯科衛生士の個室を置き、いつでもフォロー出来るような体制を整えています(理事長)
入職から【1ヶ月後~6ヶ月後】以外の回答
- 1人診療の内容によります:
口腔指導、スケーリングは可能な限り早く、患者さんの担当は半年先以降でしょうか(理事長) - DHの能力による:
先輩スタッフがフォローに付けば入職1週間程度で出来る所からやってもらう(院長) - 本人の適性を見極めて、確認後に行うために個人差が大きいです:
十分に本人が自信がつき、手技が安定するまで、模擬患者(スタッフ等)でスキルアップを勧めています(院長) - 5枚法をとるなど初日からもできる子はやってもらいます:
チーフ、院長、理事長による判子帳システムを作っており、いきなり1人でやらせるなどはなくチーフにで相互実習、院長、理事長によるチェックを行うまでは1つ1つの治療にとことんチェックします。1年あれば相当できるDHに絶対成長できます(理事長)
まとめ
新人研修期間と同じく、「3ヶ月後」「6ヶ月後」という回答が最多ではありますが、およそ1/4の医院で、「1ヶ月後」「2ヶ月後」という回答も。歯科衛生士にとって「手が動く」「体で覚える」のは大事なこと。研修期間中に、できることから一人で診療する機会を積極的に設けている医院が多いようです。とはいえ放っておくわけではなく、多くの医院でチェックやフィードバックなどサポート体制を整えていました。
*こちらは、2022年11月発行「しゃほかんV」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は取材時のものとなります。