壁に突き当たったときどう乗り越える?|歯科衛生士学生 学校生活の極意【社会人学生編#1】

これまでたくさんの学生を指導してきた太陽歯科衛生士専門学校の山田美穂先生が、歯科衛生士学生の皆さんが感じている悩みや不安にお答えします。


歯科衛生士学生 学校生活の極意|社会人学生編
第1回 壁に突き当たったときどう乗り越える?(こちらの記事)
第2回 周りの人、特に現在の職場には誠意をもって対応しよう
第3回 社会人学生のあなただからこそ持っている良いところを活かそう
第4回 あなただけじゃない!頑張る社会人学生アレコレ
第5回 卒業後、歯科衛生士人生を楽しめるのはどんな人?

★【臨床実習編】はこちら


はじめに

今回より、セカンドキャリアとして『歯科衛生士』を選択し、現在学校で学んでいる皆さんへ向けて連載をさせていただくことになりました。
高校を卒業してストレートに入学したわけではない方々には、さまざまな背景があると思います。そんな中、この歯科業界に足を踏み入れ、『歯科衛生士』という職業を選んでくださったこと、まずお礼を言わせてください。ありがとうございます!

いかがですか? 学校生活や勉強にテスト、校内実習や臨床実習…。
想像以上に大変だと感じている方は多いのではないでしょうか。
もしあなたが心から希望に向かって楽しめているなら、これを読まなくても大丈夫! 今の調子で突き進んでください!
……でも、「本当に自分はこのままやっていけるのだろうか」なんて時々落ち込むことがあるならば、この連載をちょこっと読んでみてください。

社会人学生の皆さんがよくぶつかる“壁”

さて第1回目としてお話ししようと思うのは、先ほど書いたように「本当に自分はこのままやっていけるのだろうか。」と思ってしまうような『壁』に突き当たってしまった時のお話です。

歯科衛生士になるには、ご存知の通り『国家試験』に合格する必要があります。
3年または4年かけて沢山の科目を学び、最終的には全ての科目を総合した試験に通らなければなりません。とはいえ、そんなことは重々承知で入学しているはずです。
しかし実際には卒業までに100以上の単位取得が必要で、その中には座学だけではなく実習も含まれます。日々「仕事をしながら」または「家事をこなしながら」夜間部の場合だと「昼の時間は大学に通いながら」という方もいらっしゃいますが、夕方お日さまの落ちる頃からすっかり夜になるまで、疲れて集中力も途切れる中、眠くて気を失いそうになりながら講義を受けたり実習をしたりするのですから、本当に大変だと思います。私は高校を卒業してそのまま進んだ人間ですから、そんな皆さんを尊敬しています。
ただ、せっかく選んだ道なのに途中で気力が切れて歯科衛生士への道を諦めてしまうパターンも少なくありません。これはあまりにもったいないですよね。そこでつまずいてしまうポイントについて考えてみたいと思います。

在学中にぶつかる壁にも色々あるのではないでしょうか。皆さんも思い浮かべてみてください。

「周りの若さについていけないな…」
「こんなに勉強が大変だなんて、思っていなかった!」
「授業中、寝たくないのにどうしても眠い」
「自分て…実はものすごく不器用かも?」
「こんな歳になってまで、どうして怒られなきゃいけないの?」
「人付き合いが面倒くさい」 などなど。

長く教員をしていると、「そんな気分なんだろうなぁ〜」というのが学生さんの様子からわかっちゃうんですよね。

さて、そんな気分に陥った時にあなたはどうしますか?
一度ネガティブ思考に陥ると、なかなか自分を奮い立たせるのは難しいかもしれません。ならば、ネガティブ思考に陥らない工夫が必要かもしれませんね。
まずは思い出してみてください。
既に別の職業に就き仕事をしていたのに新たな道を選んだ自分、子育てに奮闘しつつも学ぶことを選んだ自分、学生をしつつもさらに学ぶこと(資格取得)を選んだ自分を。

歯科衛生士になろうと思った「原点」に立ち返ってみよう

【あなたはなぜ、歯科衛生士になろうと思ったのですか?】
数年後、歯科衛生士になったあなたはどんな仕事をしていますか? 患者さんに頼られていますか? 自分の言葉がけで行動変容を起こした患者さんを見て「やりがい」を感じていますか?
将来の自分を想像してみてください。「そんなもんわかんないよ!」と言ってしまったあなた、今見えなくても想像する“努力”をしてみてください。それが、励みになり「今すべきこと」が見えてくるはずです。

正直なところ国家資格を取得するのはそう簡単なことではありません。
比較的『歯科衛生士』は取得しやすい資格かもしれませんが、国家試験で6割の点数を取れなければ残念ながらなれません。大学や短大の場合は入学試験でふるいにかけられますが、専門学校は比較的入学はし易いでしょう。しかしながら、最終的に受験する国家試験はみんな一緒、勉強しなければ受かるわけもないのです。しっかり学び、実習していかないと、卒業して新人歯科衛生士のスタートラインに立つこともできないのです。だから『大変』なんです。資格を取るってそういうことなのです。

前向きに励まし合える仲間をつくろう

自分ひとりが大変な思いをしているかというと…、周りを見てみてください。さまざまな環境で色々な背景を持った仲間たちがすぐそばにいるはずです。
「年齢」「性別」「前職」「家庭環境」「学歴」「歯科経験」何も関係ありません。たまたま同じ時期に入学した、たまたまのクラスメイトかもしれませんが【歯科衛生士になる!】という同じ志を持った仲間に出会えたことは縁以外の何ものでもありません。
「人と関わるの苦手だから…」とか「コミュニケーション苦手なので」とか言っていられないですよ? なんせ皆さんが目指す『歯科衛生士』はコミュニケーション能力が何よりも重要な仕事ですから! 患者さんの気持ちに寄り添う、患者さんの気持ちを動かすのは『SRPの技術』ではないのです。
それでも「私はひとりが良い!」というのであれば、せめて1人は学校のことを話せる仲間を作りましょう。声をかけられないなら、先生に相談しても良いです。

仲間同士、愚痴の言い合いも良いでしょう。ただ、そのまま「どうせやったって無理だし…」と諦めモードに走るのではなく、あえて意図的に「よーし、次はやってやるぞ!」「そうだそうだ!」と鼓舞し合えるような仲間を作りましょう!
クラスメイトの中には、特に夜間部だとモチベーションの高い人・低い人のばらつきも激しいかもしれません。気の合う仲間が見つかったらモチベーションの低い方へ引っ張られてしまうのではなく、高い方へ引っ張っていっちゃいましょう!
クラス内の雰囲気が変わると、意外にみんなの顔つきが変わっていくものです。「せっかく同じ年に入学したのだから、一緒に卒業して一緒に合格しよう!」と。
歯科衛生士として働く日々を楽しみに、仲間と共に乗り越えていきましょう!

 


次回は「周りの人、特に現在の職場には誠意をもって対応しよう」をテーマにお届けします。

 

歯科衛生士学生 学校生活の極意【臨床実習編】はこちら

先生紹介

山田美穂 先生

太陽歯科衛生士専門学校 教務課長・夜間部専任講師
日本ヘルスケア歯科学会認定歯科衛生士

やまだ みほ/休日の楽しみは愛犬とのんびり過ごすこと。「水曜どうでしょう」を観て笑い、疲れを吹き飛ばすのも自分流のリフレッシュ法。
★山田先生のインタビュー記事はこちら

学校紹介

太陽歯科衛生士専門学校(東京都荒川区)

昼間部・夜間部があり、セカンドキャリアを目指す学生や働きながら通う学生も多数。
ユニットやファントムなどの実習設備が充実しており、希望者は課外時間に実践練習を積むことができる。学生一人ひとりに合わせた親身な指導も特徴。
★学校HPはこちら

 

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