歯科衛生士の髪型・髪色はどこまで自由? ネイルはOK?

歯科衛生士を目指している皆さんにとって、「歯科衛生士にはどういった身だしなみが求められるか」は気になるポイントかと思います。臨床実習ではかなり厳しい身だしなみの規定があった、という方も多いのではないでしょうか。

患者さんや医院で働く仲間など、人からの第一印象に大きく影響する「身だしなみ」。

ここでは、歯科衛生士学生の皆さんが髪色やネイルに対してどう思っているのか、また一般的にどの程度であればOKとされるのかを見ていきます。

歯科衛生士学生に聞いた「就職後のネイル・髪色について」やる?やらない?

クオキャリアでは歯科衛生士養成校に通う最終学年の学生さんに、就職後の髪色やネイルについてどのように思っているのかアンケートを行いました。その結果、多くの歯科衛生士学生がオシャレを楽しみたいと考えていることがわかりました。

就職後のネイルについてどう思う?

歯科衛生士学生に聞いた「就職後のネイルについて」の結果
※2023年6月発行〈就活BOOK夏号〉読者アンケート集計:有効回答272件

「職場がOKならネイルをやりたい」が68%に対して「医療従事者なのでやるべきではない」は14%にとどまり、かなり多くの方がネイルに関心を持っていることがうかがえました。

一方で、「良く思わない人もいると思うので、積極的にやろうとは思わない」「派手なものはNG」と、医療従事者として慎重な意見を持っている人も。

「その他」を選んだ方の回答一例

  • 良く思わない人がいるのも理解しているのでなんとも言えない
  • 極端に長いネイルや派手なデザインはしないほうが良い
  • 爪が弱いのでコーティングのようなものであればやりたいが、オシャレ目的や華美なものはやるべきではない
  • 休日にネイルチップなどで楽しめればいいなと思っております
  • イベントがあるときはネイルしたいが、就職後も普段はしないと思う
  • 職場がOKでもやるかどうかはわからないが、やりたいと思ったときにできる職場なら嬉しいと思う

次に、「髪色」についても聞いてみました。

就職後の髪色についてどう思う?

歯科衛生士学生に聞いた「就職後の髪色について」の結果
※2023年6月発行〈就活BOOK夏号〉読者アンケート集計:有効回答272件

髪色については「職場がOKなら髪色を染めたい」が87%に対して「医療従事者なのでやるべきではない」が1%と、できるなら染めたいと思っている人が圧倒的に多い結果となりました。

「その他」を選んだ方の回答一例

  • 染めて良い医院に就職する
  • 常識の範囲内でなら良いと思います
  • 不自然、過激でなければ良いのではと考えます
  • 患者さん(特に高齢の方)が見た時に、違和感が無い髪色なら染めたい
  • 派手すぎなければ良いと思う
  • あまり派手すぎない色で楽しみたいと思っています

といった好意的な意見がほとんどでした。

最近では、 “髪色自由・ネイルOK”の医院も少しずつ増えてきていますが、外見に抱く印象は人それぞれ。入職する医院の規定に従うのはもちろん、世間一般のマナーを理解しておくことも大切です。

では次に、社会人として求められる「身だしなみの基本」と、歯科衛生士にふさわしいヘアスタイルやネイル事情について見ていきましょう。

身だしなみの基本

TPOをわきまえることが大事

医療職に求められるのは、清潔感と安心感。そのため、患者さんに「この人に任せて大丈夫?」と思われない身だしなみが基本です。
とはいえ、身だしなみのルールは歯科医院ごとに異なるもの。実際に働いているスタッフを見て、それぞれの職場の雰囲気に合わせることが大切です。
TPOをわきまえて、社会人らしいスタイルを心がけましょう。

《TPO(ティーピーオー)って?》
Time(時間)・Place(場所)・Occasion(場面)の頭文字を取った略語のこと。
「時と場所、場面や目的に合った服装をする」という意味です。

髪型・髪色

歯科衛生士におすすめのヘアスタイル

●ロング
低い位置での一つ結び、お団子など
●ボブ~ミディアム
結べる長さであれば結ぶ。結べない場合は耳にかけたりピンで留めたりして顔回りをすっきりさせる。
●ショート
耳にかけるなどして顔回りをすっきりさせる。

くるりんぱなどのシンプルなヘアスタイルなら大丈夫ですが、おくれ毛を出すようなアレンジや華美なヘアアクセサリーを付けるのは避けたほうが無難。前髪が長い場合はピンで留めたり、無臭のスプレーやワックスでまとめたりすると、仕事中に邪魔になりません。

ヘアカラーの目安

●医療従事者はカラートーン5~7推奨

医療従事者で一般的に推奨されている髪色のトーンは、レベル5~7程度です。派手すぎない落ち着いたカラーが好まれる傾向にあります。

歯科衛生士の専門学校では髪色が指定されているところも。規則のない学校もありますが、「実習のときは黒髪」という決まりがある場合がほとんどです。
決まりを破ってしまうと、自分が注意されるだけでなく学校にも迷惑をかけてしまいます。実習先で良い印象を抱いてもらえるよう、ルールはきちんと守りましょう。

●インナーカラーやグラデーションカラーは大丈夫?

髪の一部を染めるインナーカラーやグラデーションカラー。
「結んでしまえば見えない」「ベースは黒髪だからOK」と思う方もいるかもしれませんが、自分で判断せず院長や先輩に確認しておくと安心です。

ネイル

ネイル禁止の歯科医院が多い理由

「ネイルはダメ」と言われるのは、主に以下3つの理由からです。

  • 衛生的な問題
  • 技術の精度
  • 患者さんからの印象

爪が長いと、グローブが破ける・患者さんの口腔を傷つけてしまうといったリスクがあります。また、歯肉縁下にある歯石を除去する際には手指の感覚がとても重要。口腔に指を入れて行う歯肉マッサージやリップマッサージも同様です。
患者さんは、歯の痛みや治療への不安でナーバスになっていることもあります。グローブから派手な色が透けていたりストーンなどの膨らみが見えていたりすると、「この歯科衛生士に任せて大丈夫?」と思われてしまうかもしれません。

歯科衛生士のネイルを許可している歯科医院も

<OK例>
短い爪、ヌーディーカラー(ベージュや薄ピンクなど)、トップコートのみ

<NG例>
長い爪、グローブから透ける派手なカラー、ネイルパーツを散りばめた派手なデザイン、ネイルチップ

中には「爪が薄くて、はがれたり割れたりしやすい」という人もいるはず。その場合、栄養剤や補強用の透明ネイルを塗るのは問題ないでしょう。短く切りそろえられた爪に艶がプラスされると、かえって清潔な印象になるかもしれません。

まとめ

クオキャリアに登録している現役歯科衛生士約100人にアンケートを取ったところ、約6割が「髪色・髪型またはネイルの規定がある」と回答しました。
一方で「特になし」という回答も2割弱ありました。審美系のクリニックなどでは、オシャレOKの傾向があるようです。

歯科衛生士だからといって、「オシャレは禁止」というわけではありません。
髪色やネイルの決まりがあっても、それはあくまで勤務時間内のルール。お休みの日だけネイルチップを付けたり、ヘアアレンジをしたり…メリハリをつけてオシャレを楽しんでくださいね。

 

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