なぜ、そのユニフォーム? |歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#5
こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。
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目次
自分が働いている“姿”を想像してみよう
就職活動のアドバイスとして、「自分が実際に働いている姿をイメージしてみると良い」ということをよく耳にします。
ではここで、「歯科衛生士として働いている自分」を、ちょっとイメージしてみましょう!
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どうでしょうか。スムーズに想像できましたか?
ところで、イメージの中の「歯科衛生士の自分」は、どんな服装でしょうか。
パンツ? ワンピース? スクラブ? 色は何色?
そこまで具体的に考えていなかった、という人も多いかもしれません。
逆に、「まずは服装からイメージした」という人もいると思います。
さて、今回の記事で取り上げるのは、「ユニフォーム(制服)」です。
ほぼすべての歯科医院で、「歯科衛生士はこれを着て働いてくださいね」というようにユニフォームが決まっています。
「単なる服」と言ってしまえばそれまでですが、制服は、それぞれの医院の特徴をつくっている要素の一つでもあるのです。
それでは、歯科衛生士の代表的なユニフォームと、そこから見て取れる「職場の特徴」を紹介していきましょう!
【歯科衛生士100人に聞きました】どんなユニフォーム(制服)を着ている?
スクラブ+パンツスタイル
最近、このタイプのユニフォームを採用する医院が増えています。
とても動きやすいので、活動的でキビキビとしたイメージがあります。
また、スクラブを着用している職場は、「歯科衛生士と歯科医師が共通のユニフォーム」というケースが多いです。
歯科衛生士が「専門職」として尊重されていることの表れかもしれません。
ちなみにスクラブの色は、医院や職種で統一されている場合と、好みやその日の気分で色を選べる場合があります。
ビタミンカラーなど鮮やかな色のスクラブも多く、働いていても元気になれそうです。
なお、パンツやインナーの色は黒のところが多いです。
ワンピース型の白衣+エプロン
「歯科衛生士のユニフォームと言えば、これ!」という人も多いでしょう。
スクラブとは対照的に、柔らかく女性的なイメージがあります。
色も白や薄いピンクが多く、とてもかわいらしいです。
「歯科医師と話すときには緊張してしまう患者様も、歯科衛生士に対してはリラックスして本音を話してほしい」
このユニフォームには、そんな想いが込められているのかもしれません。
「患者様に癒やしを与えたい」と考えている人には、ワンピース型のユニフォームがぴったりです。
チュニック型のユニフォーム+パンツ
これも最近増えているタイプで、スタイリッシュで動きやすいスタイルです。
お尻が隠れる長さであることが、個人的にはとてもうれしいポイントです!
中には、カフェエプロンのようなオシャレなデザインのチュニックも見かけます。
このタイプのユニフォームは、「歯科医院」「医療機関」という印象が薄いことが特徴です。
来院のハードルを下げ、カフェや美容院のように気軽に来てもらいたいという狙いがあるのでしょう。
色はモノトーンやブラウン系が中心で、落ち着いた雰囲気があります。
インテリアとの統一感があったり、職種ごとに形は違っても色は同じだったりと、医院として一体感を持たせているケースも多いです。
エステティシャン風の襟つきワンピース
審美歯科やデンタルエステに力を入れている歯科医院に多く、「上質感」を演出するオシャレなユニフォームです。
試験に合格した人だけが着られるという場合もあり、まさに「憧れ」のスタイルかもしれません。
色は白が多く、襟がフリルになっているなど凝ったデザインのものもあります。
そんなユニフォームを着ることで、仕事に対するモチベーションが上がったり、自然と背筋が伸びて、所作が美しくなったりしそうです。
市販品の洋服を制服にするケース
ここまでに紹介したユニフォームは、いずれも「制服」として販売されているものですが、中には、一般に市販されている衣料品をユニフォームとして使用している医院もあります。
たとえば、歯科医師も含めて全員がおそろいのアロハシャツを着用しているケースや、「白の襟付きシャツ+ブルージーンズ」をユニフォームとしている職場もあります。
先ほど「チュニック型」の項目で、「来院のハードルを下げる狙いがある」と紹介しましたが、それをさらに突き詰めると、この「市販品型」のユニフォームになるのかもしれません。
ユニフォームの「決め方」にも注目!
さて、いろいろなユニフォームを紹介してきましたが、こうした制服の「決め方」からも、その医院らしさが伝わってくることがあります。
たとえば、
「スタッフの希望を取り入れて制服を決めた」
「数年に1回、その時在籍しているスタッフが話し合って制服を変えている」
という職場は、スタッフの意見を大切に考えていることがうかがえます。
また、珍しいところでは、「ユニフォームは自由! それぞれがカタログから選んで好きなものを着ている」という職場もあります。
こうした職場は、ユニフォーム以外の面でも、一人ひとりの個性を尊重してくれそうです。
まとめ:ユニフォームは「その医院らしさ」の表れ
ユニフォームは「単なる服」ではありますが、患者様の目に常に触れるものです。
だからこそ、自分たちの医院に対して「どのようなイメージを持ってもらいたいか」が、意図的に、あるいは無意識に反映されている部分でもあります。
「なぜ、このユニフォームを採用しているのか」を考えてみたり、ときには実際に質問してみたりすると、職場への理解がきっと深まることでしょう。
当たり前のことですが、ユニフォームは、就職したら毎日着るものです。
その制服を着たいと思えるか、もしくは、“その制服を着た自分”になりたいかを考えてみることも、「自分に合った職場」に出会うための、一つのヒントになりそうです。
ライター、インタビュアー
2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。