人を本気で思いやる優しい歯科衛生士になってほしい|先生の履歴書《太成学院大学歯科衛生専門学校》
歯科衛生士養成校の先生は、学生を指導する立場であると同時に歯科衛生士としての“先輩”でもあります。
この連載では先生に、ご自身のキャリアを振り返っていただきながら、歯科衛生士という仕事の魅力や可能性についてお聞きします。
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目次
先生紹介
太成学院大学歯科衛生専門学校 教務主任
二人の息子を持つ母。最近は外食せず家で食べることが多くなったため、料理に熱中している。青椒肉絲も合わせ調味料を使わず、一から作る腕前に。
人を本気で思いやる優しい歯科衛生士になってほしい
教員生活で学んだ背景を汲み取る大切さ
歯科衛生士としての初めての仕事は、小児歯科での予防処置や保健指導でした。お母さん方は私の話に真剣に耳を傾けてくれていましたが、今思えば心に響く伝え方はできていなかったような気がします。歯磨きの大切さ自体は誰でも分かっていること。それでもできないのには理由があるはずなんです。でも、当時の私はマニュアルをなぞるのに精一杯で、そのことに気づけませんでした。
その後一般歯科への勤務を経て教員に。1年目はなかなか学生に思いが伝わらず、指導に悩むことも多かったですが、2年目、3年目とゆとりが出てくるにつれ、学生のことも多角的に見られるようになりました。すると、学生側から心の内を相談してくれることも多くなって。例えば学業がうまくいかない背景に、家庭の事情を抱えているケースもあります。それらに共感し、一緒に考えてあげるのが大切なのだと気づかされました。
学生でも患者さんでも、人を動かすというのは大変なこと。保健指導の授業では私の失敗談も交えながら、患者さんをよく知り、その人にあったアドバイスをすれば心に伝わるよ、と話しています。
「人のために」その想いを言葉にのせる
学生を見ていて驚くのは、3年間の成長ぶり。特に、人を思いやる心の成長がとてもうれしいですね。臨床実習が終わる頃には、患者さんをしっかり見て声をかけたり、実習先のスタッフへの気配りもできるようになったりして。また医療現場以外でも、電車で席を譲る、障がいを持つ方に声をかけるといったことが、自然とできているんです。
こんなふうに、自分軸でなくて患者さんの立場で考えられる、優しさのある歯科衛生士を育てるのが私の一番の目標です。誰かのために頑張ろうと思う気持ちは、医療に携わる者にとって、生きがいややりがいそのもの。ぜひ他者に対する共感力を持ち、口を通じてたくさんの方の健康を支えていってほしいと思います。
スペシャルコラム
全力投球で走り抜けた教員1年目
教員になって最初の年はとにかくがむしゃら。話す内容を原稿に書いて教室で練習しました。当時はパソコンがないので指導案も全て手書きで、上の先生からチェックが入ったら一から書き直し。そんな奮闘の末、無事初めて卒業生を送り出すことができたときは感無量でした。最後までやり遂げて喜ぶ学生の姿を見ると、「教員をやっていてよかった」と感じます。
学校情報
太成学院大学歯科衛生専門学校[大阪府大阪市]
3年間の担任持ち上がり制のため、教員と学生の距離が近いことが特徴。充実した学内実習や実技試験で処置スキルを身につけられるのに加え、社会人マナーもしっかり学べる。
また、太成学院大学への編入制度があり、教職課程履修や大学院進学など幅広い進路を目指すことができる。
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