【歯科衛生士国試対策 “わかる!社会歯科” 】健康日本21(第二次)と健康増進法、その他の法律
目次
はじめに
クオキャリア過去問アプリ編集長の笠原玄太さんが、
国家試験までに受験生が知っておきたい「社会歯科」に関する内容について、連載でお送りしております。
第三回の今回は、健康日本21(第二次)と健康増進法に関して解説します。
健康日本21(第二次)と健康増進法の持つ意味
前回までに扱った、【第一回 社会保険って何?】、【第二回 介護保険と地域包括ケア】は、
いずれも一定の困りごとが発生した場合に助けてもらう仕組みでした。
しかし、そもそも困りごとが発生すること自体を予防したり、早期に発見して手当てしたりできれば、それに越したことはありません。
そこで今回は、健康づくりや疾病予防を積極的に推進するための環境整備を目的とした仕組みである、
健康日本21(第二次)と健康増進法について取り上げます。
この2つのうち、初めにできたのは健康日本21(当時は第一次)。
その後健康増進法が制定され、それに基づいて新しい健康日本21(第二次)が制定されました。
健康日本21(第二次)の内容
健康日本21(第二次)は、2013年に始まり、基本方針として5つが挙げられています。
①健康寿命(平均寿命ではないので注意)の延伸と健康格差の減少
②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
④健康を支え、守るための社会環境の整備
⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
※健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」であり、健康格差とは「地域や社会経済状況の違う集団による健康状態の差」です。
歯科衛生士に関わる⑤の「歯・口腔の健康」については、具体的な目標項目が設定されています。
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これらの目標設定は以下のような考え方に基づいています。
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健康増進法の内容
健康増進法は高齢化社会に対応した国民の健康増進策の基本を決め、国民保健の向上を図ることを目的とした法律です。
市区町村では健康増進法に基づいて以下のような事業を実施することとされています。
①生活習慣相談等の実施
健康手帳の交付、健康教育、健康相談、訪問指導
②健康増進事業
歯周疾患検診(40歳、50歳、60歳、70歳)、骨粗しょう症検診(40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の女性)、
肝炎ウイルス検診(40歳の者、41歳以上の未受診者)、がん検診
その他の法律について
ここまで見てきたもの以外に、以下のような法律について試験で出題されています。
①高齢者の医療の確保に関する法律
40歳以上75歳未満の対象者に実施される、特定健康診査・特定保健指導などについて定められています。
特定健康診査・特定保健指導では生活習慣の改善を目的として腹囲、BMI、脂質、血糖、血圧、肝機能などの検査が行われます。
②母子保健法
1歳6か月児歯科健康診査や3歳児歯科健康診査などについて定められています。
③介護保険法
生活機能が低下し要支援・要介護状態になるおそれのある高齢者を把握するための生活機能評価などについて定められています。
現在実施は任意(必ずやる必要はない)となっています。
④地域保健法
地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めた法律です。
具体的な検査等を定めたものではありません。
実際の過去問で出題形式をチェック!
・28回午後27問
健康増進法に基づく事業はどれか、2つ選べ。
a 特殊健康診査
b 歯周疾患検診
c 生活機能評価
d 骨粗しょう症検診
・27回午後24問
【 】に入るのはどれか。
健康日本21(第二次)において、健康寿命とは
「健康上の問題で【 】が制限されることなく生活できる期間をいう」とされた
a 職業生活
b 医療受信
c 社会参加
d 日常生活
その他、下記問題も出題されています。
・30回午後22問
・27回午後22問
・27回午前21問
・26回午前23問
・26回午前22問