固定残業代制って何ですか?

「実際に残業をしたかどうかにかかわらず、残業したものとみなして支払われる残業代」を“固定残業代”または“みなし残業代”と言います。

雇用主は、労働者に残業などの時間外労働や休日労働をさせた場合、労働時間に応じた割増賃金を支払わなければならないことが、法律で定められています。

そのため雇用主は、あらかじめ残業が発生することを見越して、

「月あたり●時間分の時間外労働割増賃金(=固定残業代)を、〇万円支払います」

という取り決めを労働者と結ぶことがあります。これを、固定残業代制度(みなし残業代制度)と呼びます。

ちなみに以下の例は、固定残業代制でよくある誤解なので注意しましょう。

 

<例>「毎月20時間分の固定残業代として4万円が給与に含まれます」

× 「何時間残業しても4万円以上はもらえない?」

「固定残業代として設定されている4万円分を超える時間の残業をした場合、事業主は4万円に加えて、その超過分を支払わなければなりません」

× 「毎月、20時間残業しなければならない?」

「仮に残業時間がゼロでも、固定残業代の4万円は支払われます」