何もできなかった私も「治す」喜びを味わえた

臨床研修を行った大学病院は症例数が少なく、1日に1人か2人診るくらい。技術面にまったく自信が持てなかったので、きちんと勉強できる職場で働きたいと考えていました。当院を見学したとき、「基礎が全然できていないのですが、どこから教えてもらえますか？」と正直に相談したところ、理事長が「一から教えるよ！」と受け入れてくれ、大きな安心感がありました。歯科医師やスタッフもみんな優しく、この雰囲気の良さが、入職の決め手になりました。本当は4つの医院の見学予定を立て見比べるつもりでいたのですが、当院の見学を終えるころには「ここで働きたい」という思いが固まっていました。

入職後は2週間に1回、休診日を使って理事長が新人向けのセミナーを開いてくれました。模型練習と座学を交えて、保険診療の基本を学ぶ勉強会です。並行して臨床では、先輩の治療を見学したりアシストについたりしながら、自分でできることを少しずつ増やしていきました。こうして手厚く教えてもらったおかげで、何もできなかった私も、半年ほどたったころには一人で患者様を診られるようになっていました。

実は歯科医師になる前は、理学療法士の学校に通っていたんです。でも勉強する中で、理学療法士は「現状維持」がリハビリの目的となる場面も多いことがわかり、「私はもっと明確な『ゴール』を目指して治療したい」と思うようになりました。そこで大学の歯学部に編入し、改めて歯科医師を目指すことにしたんです。こうした経緯があるからこそ、自分の手で治療をした患者様が喜んでくれると、「この仕事を選んで良かった」と実感します。

入職後2年ほどで保険診療はひと通りできるようになり、現在は自費の勉強も行っています。今、私が目指しているのは、保険・自費を問わず、どんな治療も自信を持ってできる歯科医師です。見学のときに感じた通り、当院の魅力は、なんといっても「人」の良さ。だから、これからもここで頑張っていくつもりです。