患者さんが納得できる“未来”を提示する

卒業後は認定資格の取得を目指し、総合病院に常勤で勤務していました。それと並行して、一般歯科を習得するために当院でも非常勤で勤務。常勤となった現在は主に一般診療を行いながら、難しい親知らずの抜歯も担当しています。

治療で心がけているのは、「自分がしてほしいことをする」ことです。たとえば治療の選択肢が複数あるとき、私が患者さんなら、それぞれを選んだ場合に待ち受けている可能性を知りたいと思うんです。最終的に選ぶのは患者さんですが、その治療をした後の未来を提示できるのは歯科医師だけ。そう考えて、治療では常に説明に力を入れています。

以前、ある患者さんの親知らずの抜歯を担当したときのこと。その方は術前に大きな不安とストレスを抱えており、抜くのをためらっていましたが、私は抜歯をする場合としない場合の可能性について、ご本人が納得いくまでご説明しました。すると術後、その方がしみじみと「QOLが上がった。抜歯してよかったです」と言ってくださって。実感をこめた言葉がすごくうれしくて、しっかりとお話ししてよかったと感じました。

当院で働き始めてから、一般歯科のスキルはもちろん、患者さんへの接遇も身についたと実感しています。当院ではおもてなしに力を入れており、マナーに関する決まりも一般企業並み。あいさつを丁寧にしたり、診療中も「○○さん、お疲れさまでした」と名前を交えてお声がけしたりと、とにかく相手を想った工夫をしているんです。「患者さんに快適に診療を受けてもらおう」という姿勢に強く共感しますし、総合病院ではなかなか学べないことだったので、とても勉強になっています。

将来の開業は考えておらず、ずっと当院で働くつもりです。当院は理事長を含めスタッフ全員が女性で、居心地は最高。成長できる環境が整っていますし、興味のあることには何でも挑戦させてもらえるので、「これ以上の職場はない！」と思っているんです。今後も自分の目標、そして当院の目標を実現するために前進していきたいです。