女性歯科医師が、生涯活躍できる道筋を示したい

私は歯科医師を目指した当初から「治療」だけでなく「経営」にも関心を持っていました。そのため当法人に入職してからも、働きやすい仕組みづくりなどのアイディアを積極的に上司に伝えていたんです。すると入職2年目に「じゃあ、自分でやってみたら？」と、分院長として梅田院を任せてもらえることに。そこから医院経営に本格的に取り組み始め、法人として初の東京進出となる渋谷院の開業準備にも中心となって携わりました。そして現在は、京都院の分院長に就任しています。

分院長という立場に立つと、患者様やスタッフだけでなく、取引先や求職者など、さまざまな出会いが増えました。その中で身をもって感じたのが、「利他」の精神の大切さです。相手を一番に思い、感謝の気持ちを持って接すれば、返ってくる反応も変わります。そうすれば、一人ではできないことも実現できるんです。だからこそスタッフにも、「相手を思いやる気持ちを大切にしよう」と常に伝えています。患者様に対してはもちろん、一緒に働く仲間同士でも感謝と敬意を伝え合っているので、院内は常にポジティブな雰囲気にあふれています。

当法人は女性が活躍できる環境づくりに特に力を入れており、これまでに9名の女性院長が誕生しています。私自身も分院長になってから産休を2回取りましたが、周りのサポートがあったからこそ、安心して医院を留守にでき、復帰もスムーズでした。しかし、大学時代の同級生の中には出産を機に仕事から離れてしまった人も多く、歯科業界として、女性歯科医師の働き方を見直す必要性を痛感しています。私の今の目標は、〝一生仕事を続ける女性〞のロールモデルになること。女性歯科医師がどうステップアップし、どのように働き続けられるかの道筋を示すことです。これからもさまざまなことにチャレンジする中で、自分がどう変わっていくのか、私自身もワクワクしています。