生化学の語呂合わせ&覚え方
歯科国試を乗り切る! 語呂ゴロ暗記術 #4 会員限定歯学部生の悩み、それは「覚えることが多すぎる」こと。
教科書を読んでもなかなか知識が定着しない…そもそも覚え方がわからない…
そんな皆さんを救ってくれるのが語呂合わせです!
本連載では、歯科国試塾ブループリントの宇梶疋准先生が各科目の語呂合わせを伝授。ちょっと笑える語呂合わせと共に暗記すれば、定期テストも歯科医師国家試験も乗り切れるはずです!
今回は、生化学の語呂合わせと覚え方です。
歯科国試塾ブループリント
宇梶疋准先生
東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram
東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram
ブラッシン法の語呂合わせ
生化学は他の科目との関連が少なく、歯科医師国家試験では出題数も多くないので、勉強しても点が取りにくいし、それほど出題されない、という受験生泣かせな科目ではあります。
今回はそんな生化学の中でも、「これは大事!」という箇所の語呂合わせと覚え方を紹介します。
DNA
RNA
DNAは「リン酸」、「デオキシリボース」、「塩基」の3つから成ります。塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つがあります。
塩基はプリン塩基とピリミジン塩基に分かれ、プリン塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)が、ピリミジン塩基にはシトシン(C)、チミン(T)がそれぞれ分類されます。
DNAのデオキシリボースの2’位のHに酸素(O)が結合し、-OH基(ヒドロキシ基)になると、デオキシリボースではなくリボースと呼ばれます。
「リン酸」、「リボース」、「塩基」のセットをRNAといいます。
RNAはチミン(T)の代わりにウラシル(U)が用いられます。ウラシル(U)もピリミジン塩基です。
●プリン塩基:アデニン(A)、グアニン(G)
●ピリミジン塩基:シトシン(C)、チミン(T)、ウラシル(U)
覚えにくい分類ですが、プリン塩基を次の語呂合わせで覚えましょう!
「味(AGi)あるプリン」
プリン塩基はアデニン(A)とグアニン(G)
プリンは好きですか? 私は好きです。甘くて美味しいですよね。
さて、もう一つ質問です。プリンとこんにゃくならどちらに味が多くありますでしょうか? もちろんプリンですよね。プリンに味があることを思い出していただければ、この語呂合わせも思い出せると思います。
ちなみにプリン塩基は尿酸に代謝され、ピリミジン塩基は水と二酸化炭素とアンモニアに代謝されます。
食べ物はほとんどが動物と植物の細胞でできています。細胞を分解するときは核酸(もちろんプリン塩基を含む)の分解が進むので、血中の尿酸値が上昇します。尿酸の結晶が関節に沈着すると、関節に激しい疼痛を起こします。それが痛風です。
ちなみに、歯科で関節といえば顎関節ですが、顎関節に尿酸の結晶が沈着し、痛風性結節となるのは極めて稀です。
必須アミノ酸9種類の語呂合わせ
人体を構成する物質にタンパク質があります。そのタンパク質はアミノ酸によってできています。
アミノ酸は基本構造が以下のようになっています。
この側鎖の構造が変わることで、アミノ酸の種類が変わります。
人体を構成するアミノ酸は20種類あり、それらは人体で合成できるアミノ酸(非必須アミノ酸)11種類と人体で合成できないアミノ酸(必須アミノ酸)9種類に分かれます。
必須アミノ酸は体内で合成できないので、食事から摂取する必要があります。
必須アミノ酸は9種類は、次の語呂合わせで覚えましょう! もしかしたらこの語呂合わせはご存じの方も多いかもしれませんが、あえて取り上げさせていただきます。
「風呂場椅子独り占め」
ふ→フェニルアラニン
ろ→ロイシン
ば→バリン
い→イソロイシン
す→スレオニン
ひ→ヒスチジン
と→トリプトファン
りじ→リシン
め→メチオニン
また、他のアミノ酸で覚えておくべき事項をまとめておきます。これらも覚えておきましょう!
●酸性アミノ酸
・アスパラギン酸
・グルタミン酸
●塩基性アミノ酸
・リシン
・アルギニン
・ヒスチジン
●含硫アミノ酸(分子に硫黄Sを含む)
・システイン
・メチオニン
ウエスタンブロット法の覚え方
遺伝子工学でノーザンブロット法、ウエスタンブロット法、サザンブロット法というめちゃくちゃややこしく、紛らわしい物質の検出方法を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらは以下の覚え方で覚えましょう。
ウエス「タンパク」
ウエスタンブロット法は「タンパク質」の検出
●ウエスタンブロット法→ウエス「たん」ぱく でタンパク質
●ノーザンブロット法→Northern でRが2つあるから→RNA
●サザンブロット法→SouthernでRが1つのみだから→Rじゃない方→DNA
ちなみに、サザンブロット法はEdwin Southernさんが開発したからサザンブロット法なのですが、その後に開発されたノーザンブロット法、サザンブロット法はEdwin Southernさんにあやかって付けた名前なのです。
なので、英語ではSouthern blottingが人名に由来するのでSを大文字で書くのですが、northern blotting、western blottingは頭文字を小文字で書きます。
いかがでしょうか? 生化学は難しく感じる科目ですが、少しずつ重要な範囲を覚えれば大丈夫です。
次回の記事も楽しみにしてくださいね!
イラスト/室木おすし 図/宮本寛之