【講座1】歯科医師国家試験まであと2か月! 心構えとやるべき事
“歯科医師国家試験”ラストスパート直前講座 #1 会員限定歯科医師国家試験まであと2ヶ月を切りました。国立大学、私立大学、現役生、既卒生…、どんな立場の受験生も多少なりとは緊張していることでしょう。そこで、在学中から国試勉強会を主催し、予備校の受験対策研究にも協力した渡部先生に、受験直前期の心構えや勉強内容を教えてもらいました。
国家試験直前まで毎週更新していきますので、この連載を読み、受験勉強のラストスパートをかけてください!
著者
渡部準也(わたなべじゅんや)
2021年、東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業し歯科医師免許取得。卒業時には長尾学術奨励賞(首席卒業)を受賞。同大学病院で臨床研修を行ったのち、2022年より同大学大学院へ進学し免疫をテーマに研究を行っている。学部在学中から同級生に対し、CBT/国家試験対策を行うなど、歯学教育に強く関心をもち、時期を同じくして他大学で試験対策研究を行っていた歯科国試塾ブループリント講師陣と意気投合し協力する。
まずはメンタルを強く保とう!
国試勉強の心構え
自分自身の試験勉強や同期など多くの受験生を見て、心に留めて欲しい心構えが3つあります。それはずばり「実力確認を恐れない」、「一人にならない」、「あきらめない」です。それぞれお伝えしていきます。
1. 実力確認を恐れない
特に直前期間では、大学や各種予備校が模擬試験や直前対策講座を行っています。その全てを受講することは不可能ですし、手あたり次第に受講したところで無駄になってしまうでしょう。ただし、自分の理解が不足している範囲の知識を補強できる講座は積極的に受けたほうが良いです。
また、模試を受ける理由は常に、現在の自分の理解が不足している範囲を確認するためです。直前期に自分の実力をチェックし、苦手な部分や足りない部分を確認することは、とても怖いことだと思います。しかし、苦手な部分を確認してひとつひとつ無くしていく地道な勉強が、合格への布石となります。
模擬試験や直前対策講座を、合格できるかどうかの“占い”に使うのではなく、理解していない部分を洗い出すものという意識で利用するようにしてください。
2. 一人にならない
歯科医師国家試験合格のポイントとなるのは、多くの受験生が正答できる問題を間違えないことです。したがって、多くの受験生が答えられない問題を追及することは試験勉強としては適切ではありません。そうは言っても、勉強していてどこまで深く押さえるかを自己判断することは難しいものです。
一人孤独に勉強をするのではなく、大学、予備校の同級生や先生と継続的にコンタクトをとり、周囲の勉強のペースや勉強範囲を参考にしましょう。
特に直前期では、周りの人が自分のライバルに見えてしまうこともあると思います。同級生は決してライバルではなく、一緒に国家試験を合格する仲間です。助け合いの心を持てば気持ちも落ち着きますし、形を変えて返ってきます。
3. あきらめない
歯科医師国家試験は今後の人生を左右する試験です。プレッシャーは半端ではないでしょうし、皆さんは今、押しつぶされそうな気持ちになっているのではないでしょうか。しかし、それはあなただけはありません。どのような立場の人も、必ず不安を抱えながら勉強をしています。
私自身も、直前期には不安で勉強をやめたくなりました。この時期に、国家試験当日や合否のことなど、将来のことを考えても不安な気持ちに囚われてしまいます。だからこそ今は、その日に勉強する内容に目を向けて、あきらめずコツコツ続けることが一番大切なことだと思います。
試験まであと少し…。今だからこそ、できることがある!
直前期におすすめの勉強内容
試験まで2か月を切ったこの時期に何を勉強すれば効率がよいのか、悩んでいる受験生の方も多いのではないでしょうか。私が国家試験受験生であった際に書き留めていた、直前期の勉強記録からやって良かったと思う内容である、「国家試験過去問の解き直し」、「模擬試験の解き直し、復習」、「暗記物の確認」についてお伝えします。
1. 国家試験過去問の解き直し
月並みではありますが、過去問を解き直すことは国家試験勉強の基本中の基本です。
私は、試験直前期の解き直しの目的として、本番の試験を意識した問題演習と、今までの勉強で解けている範囲の再確認を意識していました。
直前期の過去問演習でのおすすめは、ただ惰性的に問題を解くのではなく、「もしこれが本番の試験であったら…」という意識をもって解くことです。そうすることで、国家試験本番の予行練習とすることができます。問題を解く際には、ケアレスミスがないように集中したり、正答肢選択の根拠を自分の中で確認したりしながら、取り組むようにしましょう。
また、試験勉強は、苦手な範囲や理解が不足している範囲を中心に勉強していく必要があるため、元から得意な範囲を放置してしまいがちです。でも、いくら得意な範囲であっても、忘れてしまうことは避けられないので、直前期においては得点源の再確認のため、得意な範囲も含めて解き直すようにしましょう。
得意な範囲と苦手な範囲をバランスよく解いていくことで、スケジュールの通りに勉強が進めやすくなります。
2. 模擬試験の解き直し、復習
各種予備校が行っている模擬試験の問題は、国家試験本番の予想問題ともいえるものです。実際に、模擬試験の問題と似た問題が本番にも出題され、正答できたという話は周囲でもよく聞きました。
3回分の模擬試験を解き直して周辺範囲の知識も解説等を読んで勉強しておくようにしましょう。
3. 暗記物の確認
試験勉強では暗記を避けられない範囲があります。なかなか覚えられないが重要な範囲については、まとめ資料を作っている方も多いのではないでしょうか。
直前期に大規模なまとめノートを新たにつくることは時間の制約からおすすめできませんが、今までに作っている方はぜひ、直前期に活用しましょう。
私自身もまとめの資料をアウトプットできるか確認し、忘れていたものは復習することを行っていました。暗記物を覚えていることを確認することで、心の安定をもたらす効果もあったと感じています。
【今回のまとめ】
直前期での勉強は、今までの学習内容を十二分に生かして本番の国家試験で実力を発揮できるように、心理面、知識面ともに調整することが大切だといえます。
多くの受験生が正答できる基本的な内容を取りこぼさないことが重要です。不安になり勉強が進まないときは本記事を読み返して、あきらめずに勉強を続けていきましょう。
次回以降、必修範囲の頻出内容について、受験期に作製したまとめ資料をブラッシュアップして共有していきますので、ぜひご活用ください!
執筆協力
歯科国試塾ブループリント
2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。
2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。
次回はいよいよ、必修問題の頻出範囲について、具体的な直前対策を行っていきます。検査基準値の語呂合わせは必見! ぜひチェックして↓↓↓