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あなたにピッタリの研修先は? 先輩の“体験談”から学ぶ研修先マッチング “性格でわかる研修先診断チャート”付き マッチング

あなたにピッタリの研修先は? 先輩の“体験談”から学ぶ研修先マッチング “性格でわかる研修先診断チャート”付き

【歯科医師臨床研修マッチングプログラム】今さら聞けない"マッチング"の基本とリアル #3

「6年生になったらマッチングが始まるのは知っているけれど、実際に何をするのかわからない…」。そんな歯学部生の声に応え、歯科医師臨床研修マッチングのすべてを解説! これさえ読めば、自信をもって新年度を迎えられるはずです。

第4回では、簡単な質問に答えていくだけで自分に合った研修先がわかる「性格でわかる 研修先診断チャート」を掲載。

そして、「就職したい医院を研修先に決めた」「歯学部のない医科大学で研修した」「住んでみたい場所で研修先を考えた」という、それぞれ違った軸で研修先を選んだ3名の先輩に、マッチング・臨床研修の体験談を語ってもらいました!

たった10秒で自分に合った研修先がわかる! 研修先診断チャート

「自分に合った研修先ってどんなところだろう…?」迷ったときは、直感に頼ってみるのも一案。 次の質問に答えれば、あなたに向いている研修先を導き出せます!

Aのあなたは…出身大学の附属病院
慣れ親しんだ人やものを好むあなたは、「出身大学の附属病院」向き。心にゆとりを持って過ごせるので、就職活動もスムーズに進められそうです。
Bのあなたは…他大学の歯学部附属病院
大きく環境は変えたくないけれど、人間関係は広げてみたい。そんなあなたには、「他大学の歯学部附属病院」がオススメ。ほどよい新鮮さを味わいながら、研修を楽しめるでしょう。
Cのあなたは…開業医
新しいものが好きで、お金も重視したいあなたは「開業医」での研修がピッタリ。人と接するのが得意なので、患者さんとの関係もうまく築けそう。
Dのあなたは…総合病院
「総合病院」の口腔外科は、いつ何が起きるかわからない世界。でも臨機応変な対応ができるあなたなら大丈夫! 職種を越えた人間関係をつくり、チーム医療に生かしていけるでしょう。
Eのあなたは…医科大学
確固たる自分を持っているあなたには、「医科大学」がオススメ。歯科医師が少数派という環境の中でも存分に力を発揮し、専門性を磨きながらキャリアを積んでいけるはずです!

結果はいかがでしたか? 「決めていた通り!」という方も、「意外だった!」という方も、ぜひひとつのヒントにしてくださいね。

ここからは、さまざまな軸で研修先を選んだ先輩たちの体験談です!

3名の先輩歯科医師に聞いた! 「私は、こんな理由で研修先を決めました」

CASE1 就職したい医院を研修先に決めた人

野田 太世 先生

野田 太世 先生

2021年に東京医科歯科大学を卒業後、埼玉県の北上尾歯科にて研修。見学を始めて1ヶ所目で現在の職場に出会い、「ここだ!」と直感。臨床研修後は勤務医として引き続き臨床経験を積みつつ、外部セミナーや書籍などを利用して専門知識も深めている。

2021年に東京医科歯科大学を卒業後、埼玉県の北上尾歯科にて研修。見学を始めて1ヶ所目で現在の職場に出会い、「ここだ!」と直感。臨床研修後は勤務医として引き続き臨床経験を積みつつ、外部セミナーや書籍などを利用して専門知識も深めている。

研修期間にこそ、苦労をした方がいいと思った

僕がマッチングを意識し始めたのは、5年生の夏ごろです。これを話すと、よく皆さんに「早い!」と言われますが、その時点ですでに臨床研修は開業医で受けて、そのまま就職しようと決めていました。

実は4年生までは、「卒業後はとりあえず大学病院に残って大学院に行って、それから臨床に出る」という、いわば“王道コース“を歩んでいくつもりでした。でも、どのタイミングで臨床に出たとしても、初めは必ず苦労をするはずです。しかも大学病院にはいつまでもいられるわけではないから、自分が予期しないタイミングで臨床に放り出されることになるかもしれません。だったら最初から大学の外に出て、開業医で臨床経験を積み重ねた方が、歯科医師人生を長い目で見たときにメリットが大きいと考えるようになったんです。

そして何より、僕の理想の歯科医師像は、研究の場ではなく、臨床現場にあります。目の前の患者様の病気を治して、笑顔でおいしくご飯を食べられるようにして、その対価として「ありがとうございます」と言ってもらえる。そんな歯科医師を目指す自分と改めて向き合う中で、「研修先は開業医にしよう」という気持ちが固まりました。

臨床研修先、そしてその後の勤務先を選ぶにあたっての僕の基準は、「幅広い治療」を「早くから」経験できることでした。「患者様が望む治療には、なんでも対応できる歯科医師」に、少しでも早く近づきたいと考えたからです。

そんななか、知人の紹介で当院を訪れたところ、まさに僕が理想とする環境そのものでした。そこで、2度目の見学をさせてもらったり、医院の勉強会に参加したりと、猛アピールを開始したんです。とにかく顔と名前を覚えてもらい、「ここで働きたい!」という熱意を伝えることに必死でした。勤務医とも積極的に親しくなって、自分のパーソナリティーを知ってもらいつつ、職場の「本当の」情報を教えてもらいました。こうした行動の成果あってか、無事に当院とマッチングをすることができ、現在は臨床研修を終えて勤務医として働いています。

臨床研修の1年間をどう過ごすかは、人それぞれ。国試を終えてちょっとゆっくり過ごすのか、大学院に行くための準備をするのか、臨床医としてやっていくための修行期間にするのか、いろいろな道があります。その中で僕は、「『できなくて当たり前』と思われている研修医の間に、できることを増やしておいたら、人生得した気分になれるはず」と考えました。

もちろん最初はかなり苦労しましたが、その苦労を研修医時代に済ませたおかげで、歯科医師になって2年を終えた今、とても充実した日々を送っています。歯学部生、特に6年生は、“国家試験”という大きな壁を越えるのに必死だと思います。でも、だからと言って、臨床研修の1年間の過ごし方を適当に決めてしまうのは、すごくもったいないです。

マッチングは、自分の歯科医師人生のスタートを左右するひとつ目のターニングポイント。なるべく早めに情報収集を始め、国試の準備が本格化する前に、自分の進みたい道をじっくり考えてみるのがオススメです。

野田先生のマッチング成功のポイント

自分の理想の歯科医師像に近づける環境を選ぶ

希望の研修先に、自分の人柄や熱意をとにかく知ってもらう

早めに情報収集をし、国試に追われる前に進路を固める

野田先生から新6年生へのマッチングアドバイス

見学を1日するだけなら、学生側も医院側も「良い顔」ができます。でも、それでは自分の印象を残せませんし、医院の内実もわかりません。また、開業医の場合は筆記試験がないことが多いため、人柄で評価されることがほとんどです。
 
重要なのは、「この学生を採用したら、医院にとって将来的にメリットになる」と、いかに思ってもらえるか。だからこそ、医院に何度も足を運んだり、実際に働いている人と仲良くなったりして、お互いの理解を深めることが大切です。

CASE2 歯学部のない医科大学を選んだ人

小河原 剛 先生

小河原 剛 先生

2021年に東京歯科大学を卒業し、東京医科大学にて研修。課題には戦略を立てて効率良く取り組むタイプで、5年生の時間があるうちから研修先候補の見学をスタート。現在は臨床と並行して「歯科国試塾ブループリント」の講師を務め、国試対策やマッチング対策の指導を行っている。

2021年に東京歯科大学を卒業し、東京医科大学にて研修。課題には戦略を立てて効率良く取り組むタイプで、5年生の時間があるうちから研修先候補の見学をスタート。現在は臨床と並行して「歯科国試塾ブループリント」の講師を務め、国試対策やマッチング対策の指導を行っている。

歯科の外に目を向け、広い視野で医療をとらえたい

“井の中の蛙”にはなりたくない。それが、僕が医科大学病院を研修先に選んだ理由です。歯科大学や歯科医院にずっといると、どうしても視野が狭くなり、歯科の専門分野を極めることだけに思考が偏ってしまいがちだと思ったからです。

歯科医療は、口だけを見ていても成り立ちません。実際に最近の歯科医師の国家試験では、「歯」以外の問題の割合が増えていますよね。特に僕が専門にしたいと考えている口腔外科では、患者様の全身状態が把握できていないと、大きな事故にもつながりかねません。

「歯医者さんだから、『歯』以外がわからないのは仕方ない」とは、僕は絶対に思いたくない。だからこそ、あえて医学部の中に身を置いて、研修医時代を過ごすことを決めました。

研修先を選ぶ際は、6件ほどの病院を見学しました。そして見学先の先生に、たくさんの質問や相談をしました。どのくらい手を動かすことができるのか、自分の関心のある分野の症例は多いか、自分が目指す歯科医師像は実現できるか、給与はどのくらいか…。こうして積極的に質問したことが、「この職場・この分野に関心が高い学生なんだな」という印象にもつながったと思います。

中でも一番重視して情報を集めたのは、職場の人間関係についてです。仕事に集中するためには良好な人間関係が不可欠ですし、信頼できる先輩や上司がいてこそ、より多くのことを学び取れると考えたからです。入局したての年齢の近い歯科医師を訪ねて、実際にどのような歯科医師が、どのような関係性の中で働いているのかを率直に質問しました。あわせて、採用試験や面接の内容も聞いておき、対策を練りました。そして、興味を持った病院を複数回訪問したり、面接練習を重ねたりと十分な準備をした結果、東京医科大学病院とマッチングすることができました。

医科大学病院での研修は、とにかく初めてのことばかり。特に病棟では、入院患者様の食事管理や採血データの確認など、歯科医院ではまず経験できないことを、日常的に学ぶことができました。ときには入院中の患者様が、歯科治療中に退院したり亡くなってしまったりするケースも。かかりつけ歯科医との連携の重要性を肌で感じられたことが、今後の歯科医師人生で必ず役立つと思います。

また、病院によっては、放射線科や救命救急科、麻酔科、形成外科などの隣接分野を経験できることもあり、それも医科大学病院で研修を受ける魅力の一つです。「医大病院の中の歯科医師」という立場に立つと、確かに肩身の狭い思いをすることもありました。でもそれ以上に、得られるものが格段に多いです。「歯科医師として、広い視野で医療をとらえたい」という私の当初の目的を、臨床研修を通して十分に達成できました。

小河原先生のマッチング成功のポイント

「歯」だけに捉われずに学べる環境を選ぶ

若手歯科医師と話をして、職場の人間関係を見定める

積極的に質問をすることで、意欲を印象づける

小河原先生から新6年生へのマッチングアドバイス

研修先選びで迷ったときには、興味のある病院や診療科、開業医などで、実際に働いている歯科医師に相談するのがおすすめです。
 
もちろん自分の出身大学の先生に相談するのも良いですが、やはり職場ごとに経験できることも風土も違うので、直接話を聞くことで、一番確かな情報を得られます。
 
そして最終的には、自分の感覚を信じて研修先を選んでください。いくら相談をしても、実際に働くのは自分ですから!

CASE3 住んでみたい場所で研修先を考えた人

長野 紋佳 先生

長野 紋佳 先生

2021年に東京医科歯科大学を卒業し、京都府立医科大学で研修。臨床研修先選びでは大学病院に残るよりも外の環境を見てみたいと考え、「住みたい場所」を軸に幅広く検討。研修後は東京に戻って就職するつもりだったが、研修先の京都が気に入ってそのまま就職した。

2021年に東京医科歯科大学を卒業し、京都府立医科大学で研修。臨床研修先選びでは大学病院に残るよりも外の環境を見てみたいと考え、「住みたい場所」を軸に幅広く検討。研修後は東京に戻って就職するつもりだったが、研修先の京都が気に入ってそのまま就職した。

研修中は自由を謳歌できる「キャリア熟考タイム」

高校までは地元の高知で過ごし、大学の6年間は東京で勉強に打ち込みました。そして、今後歯科医師として就職したら、自分の都合でコロコロ転居することはできません。「もしかして臨床研修の1年間が、私の人生で一番自由に動けるタイミングなんじゃないか? だったら、自分の住んでみたい場所で過ごしてみよう」。そう考えて、まずはどこに住むかを決めることにしました。

47都道府県を検討したうち、最終的に候補に残ったのは北海道と京都。この2ヶ所で迷いましたが、もともと京都が大好きだったこともあり、京都で暮らすことを決めました。

私は病院での臨床研修を希望していましたが、京都には歯学部を持つ大学がないため、医学部附属病院か総合病院が選択肢になります。その中から候補を2〜3施設に絞り、5年生の終わりごろに見学に行きました。遠方という不便さはありましたが、旅行気分で楽しかった思い出があります。

見学の後は、京都で臨床研修を行った先輩や知り合いを探して、とにかく話を聞きました。そして最終的に私が選んだのは、京都府立医科大学附属病院です。私は一般歯科をしっかり学びたかったので、他と比べて一般歯科の症例が多いことが決め手になりました。

大学を卒業して実際に京都で生活を始めてみると、グルメに文化に、建築に、情緒に、胸を打たれっぱなし! 本当に幸せな毎日でした。研修で疲れたときにも、お気に入りのカフェでひと息つき、大好きな街を散策することで、また頑張ろうと思えました。

1年間では全然足りなくて、結局そのまま、京都の開業医に就職することに。縁もゆかりもない京都に来たことを、患者さんや先輩たちに面白がってもらえることもあり、コミュニケーションのきっかけになっています。

学生時代は「臨床研修で学んだことがその後の歯科医師を決める」と思っていましたが、研修を進めるにつれ考え方が変わってきました。研修医時代に大きな病院で外科や病棟管理を学べたことはもちろん良い経験になりましたが、その後、私は摂食・嚥下の分野に舵を切り、今は在宅診療に取り組んでいます。だから、学生時代に決めた進路がそのまま続いていくとは限らないんです。

言ってみれば臨床研修は、歯科医師人生のスタート地点でありつつ、就職までの“熟考タイム”でもあるのかもしれません。あまり悩みすぎずに、「好きな場所」という視点で、研修先を選んでみても良いのではないでしょうか。どんな研修先であっても、そして、その後どのような道に進むとしても、自分の頑張り次第で、仕事に生かせる「何か」を必ずつかめるはずです。

長野先生のマッチング成功のポイント

「住んでみたい場所」をまず決める

学びたい分野の症例が多い環境を選ぶ

実際にその施設で研修をした先輩に話を聞く

長野先生から新6年生へのマッチングアドバイス

遠方に見学や面接に行く際には、帰りの新幹線や飛行機に間に合うように、早めに訪問を切り上げましょう。「やる気がないと思われるのでは」と心配になるかもしれませんが、それよりも「時間管理がしっかりできる」ということを印象づける方が大事です。
 
そして、普段は行かない場所をせっかく訪れるのであれば、余裕を持ったスケジュールを立て、その土地の良さを味わってきてください!

研修先を選ぶ理由は人それぞれ。今はまだ学びたいことがはっきり決まっていなくても、自分なりの軸があればきっと良い結果につながるはずです。先輩たちの声を参考に、マッチングに向けて軸を固めていってください!

文/柳原梢子 イラスト/マコカワイ

※「研修先診断チャート」はBRUSH編集部が制作したものです。心理学等に基づいたものではありませんのでご了承ください。

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