歯科業界の就活にも応用できる「選択力」とは?
茂木健一郎さんに教わる就活での「最高の選択」 #1人生を左右する“就職先の選択”。慎重になるのは当然ですが、決めかねているうちにチャンスを逃してしまうかも…。
そこで「選択はスキル」と言う、脳科学者の茂木健一郎さんが特別講義を開講。
歯科業界の就活にも応用できる、“選択”に必要な要素とプロセスを解き明かします。
まずは最初にCHECK!
あなたの基本的な選択力は?
- 飲食店のオーダーで 「おすすめは?」と聞く
- 人と同じメニューを注文しがち
- 理由がないと行動できない
- 段取りを重視するタイプだ
- 人の属性(所属や肩書き)を気にする
- お墨付き(資格や○○検定)をありがたがる
- 占いに頼る
- 食わず嫌いの傾向がある
- 石橋を叩いても渡りたがらない
✓が多いあなたは「選択力」が不足気味。なぜ選択できないのか、選択できる・できないによって、就職、ひいては人生がどう変わってくるのか、次のページで茂木さんが解説します。
Teacher :
茂木 健一郎さん
もぎ・けんいちろう◎1962年東京生まれ。脳科学者。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学の研究員を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。2021年4月、屋久島おおぞら高校校長に就任。著書に『脳科学者が教える最高の選択』(徳間書店)ほか多数。
「大事なのは自分の頭で考え、選択すること」
選択を脳科学的に言うと「脳の中に蓄積されたたくさんの知識、情報に基づいて、そのときどきにおける最適な結論を導き出すこと」です。選択するのは一瞬。その結果を見極めながら、次の瞬間にまた選択する。人生はその繰り返しです。
「選べない」理由は、次の3つに大別できます。①考えるのが面倒くさい。②責任を負いたくない。③リスクがある。昼食のメニューを選ぶくらいの話なら、選択など放棄して、いつもと同じもの、友人が選んだもの、店のおすすめを食べていれば済むことかもしれません。しかし就職は違います。他でもない、あなたの人生に大きく関わることですから。
考えるのも、責任を取るのも、リスクを負うのも自分だからこそ、自分で人生をクリエイトしていく自由と創造性を獲得できるのです。うまくいかなくても、軌道修正すればいいだけ。それもまたひとつの選択だし、その都度自分で考えて選べば、失敗も糧となるでしょう。
不安だからと選択を先送りしたり、人任せにしたりするのは、リスクヘッジというより思考停止。人生の責任は他の誰にも取れないのだし、どのような選択もリスクをゼロにすることは不可能です。ですから、リスクを承知で自分で決断し、行動する経験を重ねて「選択の精度」を上げていくことが大切なのです。
就職活動は、自分のパーソナリティーを発展させる絶好の機会でもあります。これまで行ったこともないような場所に行き、初対面の人と話し、新しい体験をすればするほど、幸福感や意欲に関連する神経伝達物質のドーパミンがたくさん放出されます。
その結果、前頭葉を中心に強化学習が進んで行動が加速。神経回路が強くなるので選択の精度もさらに上がります。ですから、ぜひ積極的に動くことをおすすめします。
次のページから、就活でよりよい選択ができる人になるための具体的な方法について、順を追って説明していきます。
茂木健一郎さんに教わる就活での「最高の選択」の記事一覧
- #1 歯科業界の就活にも応用できる「選択力」とは?
- #2 茂木先生から歯科就活生におくる“選択”のための講義