【大人の歯科医師検定】スタッフが困った状態に。あなたならどう対応する?
石原壮一郎の「ダメ歯科医師と大人歯科医師の分かれ道講座」 #5 会員限定【答2】
- その場は会釈して通り過ぎ、あとから「何でも相談してね」と声をかける
・・・・・5点 - その場ですぐ「Bさん、何かあったの? どうして泣いてるの?」と尋ねる
・・・・・0点 - 帰り際ぐらいに、唐突に「いつも助かってるよ。ありがとう」と声をかける
・・・・・3点
【解説】
どんな人間関係でも同じですが、対スタッフの場合はとくに「適切な距離」を保つことが大切です。近づき過ぎると「うっとうしい」と思われたり、あるいは下心があると誤解されたりしかねません。逆に遠すぎると、冷たい印象を与えてしまいます。
いつも元気な人がこっそり泣いているなんて、ただ事ではありません。きっと何か悲しい出来事があったのでしょう。しかし、恋人や家族ならさておき、歯科医師とスタッフという関係で、②のようにいきなり「何かあったの?」と尋ねるのは、かなり乱暴な踏み込み方です。理由を話してくれるどころか、「頼むからほっといてくれ」と思われるだけ。
泣いているのを見られたことを本人が気付いていないなら、とくに何もしないという選択肢もあります。ただ、この場合は目が合っているので、①のように声をかけて「心配しているよ」という気持ちを伝えておくのがベスト。③も、少し遠回しではありますが、泣いているのを見たことを受けて励まそうとしている気持ちは伝わるでしょう。
【判定】
2問の合計は何点でしたか?
10点のあなた……大人歯科医師度90%。油断せず、さらなる高みを目指しましょう。
5~8点のあなた……大人歯科医師度50%。気を引き締めて、いっそう精進しましょう。
0~4点のあなた……大人歯科医師度10%。大丈夫。伸びしろが大きいということです。
今回の判定はいかがでしたか? 間違った選択をしてしまっても大丈夫。
毎回しっかり復習すれば、患者さんやスタッフに信頼される歯科医師に成長すること間違いなしです!
次回こそは、2問で10点満点を目指しましょう!
著者
石原壮一郎
コラムニスト。1963年三重県生まれ。デビュー作『大人養成講座』をはじめとして、『大人力検定』『大人の言葉の選び方』など、大人をテーマとした数多くの書籍がベストセラーに。雑誌・新聞・ウェブ、テレビ出演などを通じて、大人としてのコミュニケーションのあり方を提唱。日本の「大人シーン」を長年にわたって牽引している。また「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」として、全国の人々に故郷の魅力をあの手この手で伝えている。5 月に日常会話にひそむ「失礼」をあぶり出した最新刊『失礼な一言』(新潮新書)が発売!
イラスト/中根ゆたか
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