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歯科の将来性を確信し、転身を決意―― 元 金融機関社員の歯学部生 キャリア

歯科の将来性を確信し、転身を決意―― 元 金融機関社員の歯学部生

セカンドキャリア歯学部生のプロフィール #1

「医療に興味があった」「親の医院を継ぐため」「資格を取りたかった」…
歯学部入学の背景は人それぞれですが、最近増えているのが“別の仕事を経験してから歯学部に入った人”。
その人たちはなぜ大きな方向転換を決意したのでしょうか?

本特集では、そんな“セカンドキャリア歯学部生”を取材。
これまでの経歴から歯学部入学の理由、編入・再受験のために行ったこと、歯学部に入ってよかったことなどの体験談を、ありのままに語ってもらいました。

第1回は、金融機関に勤務していた歯学部生。まったく異なる業界からの転身を決意したきっかけとは?

話をしてくれたのは…

ランダムウォーカー さん
地方の国立大学歯学部に在籍。高校卒業後は経済学部に進学し、金融機関で2年ほど勤務した後、歯学部に編入した。趣味は音楽と語学。

金融業界からの大きな転身

もともと数学が得意だったので、それを活かせる仕事に就きたいと思い、アクチュアリー(保険や年金の数理業務を行う専門職)やクオンツ(市場動向などを分析する専門職)を目指して経済学部に進学。卒業後は金融機関のマーケット部門に入社し、証券運用や調査の仕事をしていました。

自分の考えた仮説、シナリオ通りに金融市場が動いたときは達成感がありましたし、仕事自体は面白く感じていました。一方で、日系の職場に勤めていたため劇的な昇給が見込めないことや、副業禁止・資産運用の制限など私生活においても制約があったことに不満を抱えていた面もあります。

そんな私が歯科医師を志したのは、歯の再生に関するニュースを見たことがきっかけです。それまでも「今後は人工知能が進歩していくからこそ、人間の技術が必要とされる医療分野に携わってみたい」と考えており、また歯科治療に通うなかで“歯科医師過剰論”に疑問を持っていたことから歯科に興味があったのですが、そのニュースで歯科の将来性に確信を持ち、この道に進もうと決めました。

その後は仕事を続けながら、歯学部再受験と編入学のどちらにもチャレンジできるよう、受験勉強と編入学のための学習、小論文の準備に並行して取り組みました。

困ったのは、医学部に比べて歯学部再受験者に関する体験談が非常に少ないこと。また当時はそれなりに残業もしていたので、勉強と睡眠の時間を捻出するのも大変でした。結果的に再受験はすることなく、準備を始めてから半年ほどで編入学が決定して翌4月から新しい生活がスタートしました。

画像はイメージです
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ランダムウォーカーさんへのQ&A!

Q. 周りの学生とギャップを感じることは?
A. 最初の大学が都内だったのもあり、地方では学生のうちから車を持ってる人が多いことに驚きました!

Q. 同級生にセカンドキャリアはいる?
A. 編入学や再受験で入ったメンバーが数人いて心強いです。

Q. セカンドキャリアならではのエピソードは?
A. 同級生が前職に興味をもってくれて、コミュニケーションにつながります!

過去にやり残したことを取り戻せたと感じる

現在は歯学部生として、日々勉強や部活に励んでいます。以前通っていた大学よりも授業のコマ数が多く、テスト期間以外にもテストが集中することがあるので大変ではあるものの、自分のやりたい勉強ができていることは大きな喜びです。仕事を通じてPowerPointやExcelを使い慣れていたので、実習のレポートや実験結果の処理を周りの学生たちより効率的にできるのは、セカンドキャリアの有利な点かもしれません。

そして大学に通う短期留学生と関わったり、長期休暇中の留学プログラムに参加できたりと、国際交流をする場が多いのも歯学部に入ってよかったことの一つ。以前の大学では国際交流の機会が得られず「やり残した」と感じていたので、チャンスを取り戻せてうれしく思っています。学生時代や前職で身につけた英語力を活かせるのも、思わぬメリットでした。

初期研修が終わったら、大学院に進んで専門分野を学ぼうと思っています。口腔外科や矯正歯科、再生治療など、興味を持っている分野はたくさんあるんです。とはいえ、まずは卒業と国家試験合格が大きな目標。これからも「もう一度得た学生生活」というかけがえのない時間を楽しみながら頑張っていきたいです。

二度目の大学生活で思わぬチャンスを得たランダムウォーカーさん。現在歯学部に通う皆さんも、学生時代のいまだからできることを存分に楽しんでください!

次回は「生命医科学研究員」だった歯学部生にインタビューします。お楽しみに!

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