【講座5】細かいところまで出題される!? 「社会保障制度」
“歯科医師国家試験”ラストスパート直前講座 #5 会員限定歯科医師国家試験まであと少し! 国立、私立、現役、既卒…、どんな立場の受験生も緊張していることと思います。この連載では国家試験まで、大学在学中から国試勉強会を主催し予備校の受験対策研究にも協力した渡部先生に、受験直前期の勉強内容について教えてもらいます。
国試直前まで毎週更新していきますので、この連載で受験勉強のラストスパートをかけてください!
著者
渡部準也(わたなべじゅんや)
2021年、東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業し歯科医師免許取得。卒業時には長尾学術奨励賞(首席卒業)を受賞。同大学病院で臨床研修を行ったのち、2022年より同大学大学院へ進学し免疫をテーマに研究を行っている。学部在学中から同級生に対し、CBT/国家試験対策を行うなど、歯学教育に強く関心をもち、時期を同じくして他大学で試験対策研究を行っていた歯科国試塾ブループリント講師陣と意気投合し協力する。
明けましておめでとうございます。今月はいよいよ、歯科医師国家試験です。勉強の疲れやストレスがかなり溜まってきていると思いますが、国試受験生のお正月休みは試験後と考えて、あと1ヶ月弱を後悔がないように、一日一日全力を尽くして頑張っていきましょう。
社会保険と公的扶助
今回は、社会保障制度のうち、やや細かいところまで聞かれがちな「社会保険」と「公的扶助」について解説を行います。
衛生範囲は各大学によって、授業や試験対策の内容が大きく異なっている場合があります。たとえば、衛生学を教えている研究室・講座が「衛生学研究室」「社会歯科学研究室」のように2つに分かれている大学では、社会保障制度が学部での授業でしっかりカバーされている場合が多いようです。ただし、すべての大学であてはまる訳ではなく、個人でしっかりと対策を講じる必要も多いように見受けられます。
必修での衛生範囲は、基本的な内容ですので失点が許されません。ただし、似たような法律があり、混同してしまったり忘れてしまったりしやすい範囲でもあるので、今回のまとめの表を使うなどして自分の知識に抜けがないかよく確認するようにしてください。
特に、衛生学や法律系の暗記分野は、直前期でも点数が伸びる分野ですので、諦めずに勉強を続けていきましょう。
社会保障制度の分類と憲法
日本の社会保障制度は、憲法25条を基礎に作られています。憲法25条では「生存権」が定められています。以下に抜粋を示します。国家には国民が生活できるように生活保障をする義務があります。
日本国憲法25条
① すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
日本の社会保障制度は、「社会保険」、「公的扶助」、「社会福祉」、「公衆衛生」の4つの分野から構成されています。
「社会保険」は、人々が保険料を出しあって様々なリスクに備えるもので、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労働者災害補償保険など複数に分かれています。
「公的扶助」は、税金により健康で文化的な最低限度の生活を保障するもので、主に生活保護が担います。
この記事では、「社会保険」と「公的扶助」についてフォーカスを当てて解説していきます。
その他、「社会福祉」は児童福祉制度、障害者福祉制度、老人福祉制度に、「公衆衛生」は感染症予防や公害対策に分かれています。
頻出な社会保険と公的扶助
まとめの表には、社会保険として頻出な医療保険、年金保険、介護保険の比較を示しています。保険者(113回A13、103回C2)、給付申請の必要性の有無(106回A2)、給付方法(112回C6)、被保険者の年齢(105回C7)などこの表の範囲から多数出題されていますので、覚えているか確認してみてください。介護保険については衛生範囲で詳しく出題されるため覚えている受験生が多いのですが、年金保険と医療保険が意外と穴になりやすいので注意が必要です。
雇用保険と労働者災害補償保険の補足
最後に社会保険の中の「雇用保険」と「労働者災害補償保険」について補足していきます。
雇用保険
雇用保険は、雇用保険法に基づく強制加入の制度で、労働者の生活と雇用の安定を図ると共に、再就職を促進することを目的としています。労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となる事由が生じた場合、また労働者の能力を開発向上させる職業訓練に対しても給付を行っています。
また、雇用保険は主に雇用者を対象としており、保険者は政府です。保険料は労働者本人と事業主が負担することとなっています。給付には、公共職安定所へ申請が必要です。
労働者災害補償保険
労働者災害補償保険(労災保険)は、労働者災害補償保険法に基づく公的保険制度であり、労働者の業務や通勤における災害などに対して必要な保険給付を行います。他には、被災労働者の社会復帰の促進や被災労働者及び遺族の支援などを目的としています。そのため、業務中や通勤時間で怪我をした場合は、労働者災害補償保険で医療費の補償があります。
また、働けなくなった時期の収入もこの保険によって賄われます。労災保険の受給者は主に労働者で、常勤や非常勤(アルバイトも含む)は問われません。保険者は政府です。労災保険は全額事業者負担で、給付には労働基準監督署長への申請が必要です。公的保険制度の中で唯一、医療と所得の両方を保証するのが労働者災害補償保険だということも重要です。
【今回のまとめ】
お正月休みは国家試験後! ラストスパートをかけて頑張りましょう! 必修で聞かれる衛生範囲は基本的な内容ですが、自信をもって答えられるようによく復習しておきましょう。
執筆協力
歯科国試塾ブループリント
2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。
2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。