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歯の神様「荻窪白山神社」で不思議な体験をし、歯の心配が少し和らぎました。 連載コラム

歯の神様「荻窪白山神社」で不思議な体験をし、歯の心配が少し和らぎました。

辛酸なめ子の調べたら奥深~い“歯科ラビリンス” #1

子供の頃にした恐怖体験から歯医者さんがトラウマになり、実は歯科医院があまり得意ではないという辛酸なめ子さん。そんな辛酸さんも、口腔の健康と寿命が関係していることを知り、月に1回は予防を兼ねて歯科医院に通っているという。この連載は、そんな辛酸さんが最近の歯科事情や、歯科にまつわるエトセトラを取材し、歯科の恐怖と向き合い、克服していく壮大な物語である。歯科医師になる皆さんも、ぜひこの連載を読み、歯医者さんが怖い患者さんの気持ちと寄り添いながら、奥深い歯科ラビリンスを体感してください。

落ち着いて歯科連載に取り組めるよう、
「歯の神様」にお参りしてきました

どうすれば歯の健康を保てるのでしょうか…。常に頭のどこかに歯のことがあります。気をつけて磨いているつもりなのですが、毎回歯科検診に行くたびに初期虫歯を発見され、ショックで少し寿命が縮まります。

もうここは神頼みしかないかもしれない、と、歯に霊験あらたかな都内の神社を調べたところ「荻窪白山神社」の存在を知りました。歯の神様として人々に信仰され、「歯守り」も授与していると聞いて、すがりたい思いで参拝させていただくことに。

駅からすぐ近くで、参道も長すぎず短すぎないほど良い距離感。神社界の歯医者のように通いやすそうです。そして境内に入ると、かわいい猫の像が各所にありました。手水舎や、境内の木陰のあたりなど……。東日本大震災のあと、猫の石像が無事だったという由緒があり、「荻窪のなごみ猫」として、訪れる人を癒してくれているそうです。

しかも視線を感じると思ったら,リアル猫が社殿の窓辺に座っていました。歯医者に行く前に参拝して猫の姿を見かけたら、それだけでもかなり緊張感が緩和されます。

絵馬が飾られているところに立ち寄ると、お子さんの歯科治療が無事に終了するように願っていたり、祖父の入れ歯が丈夫なことを祈ったりしている絵馬が。人の歯のためにお願いする、という美しい行為はきっと神様の目に届くことでしょう。

平日の日中でしたが、参拝客は途切れず、中には歯科衛生士風の制服の方も。休憩時間に歯の神様にお参りに来て、技術力の向上を願っている仕事熱心な方なのでしょうか。歯への崇高な思いが渦巻く空間です。

荻窪白山神社の禰宜の小俣隼臣さんとそのご母堂に、神社のいわれについて話を伺いました。

文明年間の頃,関東管領である上杉顕定の家来、中田加賀守が、屋敷内に五社権現社をお祀りしたのが由来だそうです。あるとき、中田加賀守の弟が歯痛に悩まされていたら、夢枕に神様が立たれ、「ここに自生している萩の枝を箸にしてご飯を食べれば、歯痛が治ります」と、お告げを受けました。実際に萩の枝のお箸で食事したら、歯痛が収まり、その霊験が周りに広まって評判になったそうです。社殿改修工事の時に、昔の萩のお箸が多数発見されたとか。

荻窪(おぎくぼ)で萩(はぎ)? と一瞬混乱しましたが、荻(おぎ)はイネ科の植物で、萩(はぎ)はマメ科。よく見たら実は漢字の一部も違っていました。この年になって知る「荻」と「萩」の違い。神社の方に、実際の萩の枝を見せてもらうと、太さもお箸にちょうどいいです。ちなみに今は萩は境内には1本だけ生えているとのこと。 お守りは、「歯痛除け御守」と白い「歯守り」の2種類。もともとは「歯痛除け御守」だけだったのが、歯痛だけにはとどまらない、歯槽膿漏や歯周病など歯全般のお悩みを持つ人の心のよりどころになるために「歯守り」が作られました。私のような歯医者への恐怖感や初期虫歯には「歯守り」が良さそうです。白いお守りの袋が理想の歯の輝きを放っています。こちらは部屋の視界に入るところに置いておくと、お菓子を食べるのを抑止する効果がありそうです。

禰宜の小俣さんに歯の悩みについて吐露していたら、「そもそもそんなに無理して歯医者さんに行く必要はないのでは。自分のタイミングで必要な時に行けばいいと思います」と、新たな提言をいただきました。歯の神様が降りてこられたのでしょうか……。ちなみに歯の悩みを持つ人が多く参拝しているからか、そのマイナスの念を受けてしまい、歯の試練に見舞われたこともあったとか。「精神的に強くなければなりません」と、小俣さん。大変なお役目ですが、人々の歯の悩みを少しでも軽くするために日々つとめを果たされています。

「気にしすぎると、痛くない歯も痛くなる。気にしすぎないのが大切です。お参りすることで、大丈夫だと安心できるならそれでいいと思います」

私も歯を意識しすぎていたのかもしれません。些細な知覚過敏の痛みまで、C2の虫歯くらいに感じられて、不安が増大していました。荻窪白山神社に参拝し、歯守りを持つことで少し不安が和らぎます。

「自分の歯でしっかり噛んでものを食べられる、というのが健康の基本。歯が丈夫な人は健康長寿だと言われています。歯は生きることに直結しています」
と、歯格言を次々と放つ小俣さん。歯へのありがたみが湧き上がってきます。

お話を伺った神社の建物を出ると、なんと先ほどの猫が待っていました。そして導くかのように、神社内の摂末社、三峰神社の方へ……。そこにもかわいい猫の石像がありました。猫のかわいさで歯の心配が軽減。石像のご利益は「再石灰化」かもしれない……と妄想し、さらに心強くなりました。

辛酸なめ子

辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学校、高等学校在学中から、執筆・創作活動をスタート。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。セレブ、皇室、精神世界など関心の幅は広く、それぞれ独特の切り口で取材し執筆。著書に『女子校礼賛』『無心セラピー』『電車のおじさん』『新・人間関係のルール』『辛酸なめ子の独断!流行大全』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』など多数。

漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学校、高等学校在学中から、執筆・創作活動をスタート。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。セレブ、皇室、精神世界など関心の幅は広く、それぞれ独特の切り口で取材し執筆。著書に『女子校礼賛』『無心セラピー』『電車のおじさん』『新・人間関係のルール』『辛酸なめ子の独断!流行大全』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』など多数。

文・イラスト/辛酸なめ子

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