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脳神経12対のうち、副交感神経があるのは? 解剖学の語呂合わせ&覚え方 国試&CBT

脳神経12対のうち、副交感神経があるのは? 解剖学の語呂合わせ&覚え方

歯科国試を乗り切る! 語呂ゴロ暗記術 #2

歯学部生の悩み、それは「覚えることが多すぎる」こと。
教科書を読んでもなかなか知識が定着しない…そもそも覚え方がわからない…
そんな皆さんを救ってくれるのが語呂合わせです!

本連載では、歯科国試塾ブループリントの宇梶疋准先生が各科目の語呂合わせを伝授。ちょっと笑える語呂合わせと共に暗記すれば、定期テストも歯科医師国家試験も乗り切れるはずです!

前回は、語呂合わせの作り方、そして覚え方について教えてもらいましたが、第二回からは実際の語呂合わせや覚え方を教えてもらいます。

今回は、解剖学の語呂合わせと覚え方です。

《目次》
・脳神経12対のうち、副交感神経がある神経の語呂合わせ
・眼窩の骨の名前と位置の語呂合わせ
・ハバース管とフォルクマン管の走行方向の覚え方

宇梶疋准先生

歯科国試塾ブループリント

宇梶疋准先生

東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram

東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram

脳神経12対のうち、副交感神経がある神経の語呂合わせ

自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、脳神経の12対のうち副交感神経があるのは、

第Ⅲ脳神経 動眼神経
第Ⅶ脳神経 顔面神経
第Ⅹ脳神経 迷走神経
第Ⅸ脳神経 舌咽神経 
の4つです。

自律神経系は解剖学だけではなく、生理学や薬理学、歯科麻酔学の範囲にもなるので、上記を覚えていないと得点できない問題が多くなってしまいます。ですので、歯科医師国家試験では必須項目といえるでしょう。

ありがちなのが
・動眼神経を覚えていない。
・そもそも脳神経の番号と「○○神経」の組み合わせ(例:Ⅻ→舌下神経)を覚えていない。

まずはこの2点をクリアしているかどうかチェックしてください。

また、脳神経12対の中には交感神経は存在しません。
このことを知らない歯学部生が多くいますが、そもそも頭頸部の交感神経は首より下から伸びているということを知らないと、星状神経節ブロックの意義はわかりません。

星状神経節によって顎口腔領域を含む顔面と頭蓋の交感神経系が抑制されるので、相対的に副交感神経が優位になります。この点も覚えておきましょう。

それでは、上記を覚えるための語呂合わせを紹介します。

「港区で休もう」

第Ⅲ脳神経 動眼神経
第Ⅶ脳神経 顔面神経
第Ⅹ脳神経 迷走神経
第Ⅸ脳神経 舌咽神経
 

み→3、な→7、と→10、く→9です。さらに「休もう」で副交感神経が連想できます。

たまに、みなとくの「み」を三叉神経と覚えてしまう人がいるので、気を付けてください。

眼窩の骨の名前と位置の語呂合わせ

眼窩を構成する骨の名前と位置を覚えるための語呂合わせを紹介します。

「公害状況の前に涙する市長」

眼窩の奥の方に見える口蓋骨から時計回りに回って、「涙する市長」のところで円の中心に向かって曲がるイメージです。

公害→口蓋骨
状→上顎骨
況→頬骨
の前→前頭骨
に涙→涙骨
する
市→篩骨
長→蝶形骨

「公害→PM2.5」「公害→目に入ると痛そう」などと連想して、眼窩の話をしていること覚えてください。そうすると国家試験中でも思い出せると思います。

ちなみに「眼窩は目じゃないか! 歯科と関係ないよね?」と思っている歯学部低学年の方は大間違いです。

特に眼窩にある下眼窩裂には眼窩下神経、眼窩下動脈が通るという点が重要です。眼窩下神経、眼窩下動脈は、中顔面と上顎前歯の神経支配や栄養するという点では歯科に直接的に関わる範囲なので、大変重要なので覚えておきましょう。

眼窩を構成する骨の名前の覚え方には「前工場長が涙した」という(比較的)有名な語呂合わせもありますが、この「公害状況の前に涙する市長」だとそれぞれの骨の位置も覚えられます。

ハバース管とフォルクマン管の走行方向の覚え方

ハバース管とフォルクマン管、という単語は「歯学部2年生のときに勉強してから、超久しぶりに聞いた」という方もいるのではないでしょうか。ハバース管とフォルクマン管は骨の中にある構造で、骨に栄養するための血管が走行しています。

ハバース管とフォルクマン管がそれぞれ縦横どちらの方向に走行するかの覚え方は、下記の図をご覧ください。

「ハバース管」の「ハ」の文字でハバース管は縦、「フォルクス管」の「フ」の文字でフォルクス管は横、と視覚的に覚えましょう。

ハバース管とフォルクマン管の走行自体が歯科医師国家試験に出る確率は恐らく低いでしょうが、大事なのは骨内には血管が走行しているという点です。

ちなみに歯を切削したときは、露髄しない限り出血は起きませんが、骨を切削したときは硬組織のみの切削でも出血は起きます。これはハバース管とフォルクマン管があるからともいえますよね。

骨からの出血には
・電気凝固
・捻転法(周囲の骨を砕いて骨質により圧迫止血する挫滅法)
・骨蝋(ボーンワックス)を填塞する方法

があります。このあたりは別名が多いので、各大学の現役生の方は授業で習ったとおりに一旦覚えておくのがいいでしょう。

止血法は歯科医師国家試験では必修に関わる項目なのでよく覚えておきましょう。

以上、第一回目の歯科医師国家試験語呂合わせは解剖編でした!

次回も楽しみにしてください。

イラスト/室木おすし 図/宮本寛之

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