語呂合わせは自分で作れる!
歯科国試を乗り切る! 語呂ゴロ暗記術 #1 会員限定歯学部生の悩み、それは「覚えることが多すぎる」こと。
教科書を読んでもなかなか知識が定着しない…そもそも覚え方がわからない…
そんな皆さんを救ってくれるのが語呂合わせです!
本連載では、歯科国試塾ブループリントの宇梶疋准先生が各科目の語呂合わせを伝授。ちょっと笑える語呂合わせと共に暗記すれば、定期テストも歯科医師国家試験も乗り切れるはずです!
記念すべき第一回は、語呂合わせの作り方を教えてもらいます。テスト本番で思い出しやすくするためのコツとは?
歯科国試塾ブループリント
宇梶疋准先生
東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram
東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
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覚えるのって当たり前
歯科医師国家試験は覚えることがとても多いですよね。
それは当然です。歯科領域の疾患の診断をできるようになって、死亡診断書が書けて、人体に放射線を当てても、メスを当てても治療の目的であれば傷害罪にならない資格を与えられるわけですから。
最初から厳しいことを言うと、知識が中途半端である方に歯科医師になる資格は、はっきり言って、ないでしょう。
自分がインフルエンザに罹って、万が一、一番近所の医者が「細菌とウイルスの違いを知らない医者」だったらどうしますか? そんな医者にはかかりたくないですよね。
でも、医師免許を持っている人ならば、そんな人はいない、そう読者の皆さんは思うはずです。
それと同じように、市中の方は「歯科医師免許を持っている人なら、子供の歯が何歳で生え変わるか知っている」「歯周病が起こる仕組みを知っている」と思っています。
それも当然ですよね。患者さんは自分に対する治療に、98%でもなく、99%でもなく、100%を求めているのですから。
歯科医師になりたいあなたは、その期待に応えないといけない。それは自覚してください。
でも覚えるのって難しい
しかし、歯科医師国家試験受験生の気持ちも私はわかります。テストを目の前にして、これだけ覚えることが多い。授業で配られたハンドアウトの山、そもそも読み方が分からないような単語ばかり。私自身も経験してきました。「これを覚えるのは結構きついなぁ」と思う瞬間が幾度もありました。
それを助けるのが語呂合わせです。
語呂合わせを使って覚えるのもテスト対策のひとつとしては有効です。
語呂合わせは世界各地にある文化です。日本の医療界隈では、とくに薬学部や看護学部では、歯学部より更に高度な語呂合わせ文化があるように感じます。
大きな書店に行くと薬学部、看護学部向けの語呂合わせ本が積まれていることもあります。
「歯学部界隈でも語呂合わせ文化をつくろう!」という想いから、この連載を始めることになりました。
語呂合わせの前段階
恐らく「語呂合わせ」や「ゴロ」で検索する人が多いと考えられますので、「語呂合わせ」と書いていますが、「一般的には“語呂合わせ”とは言われない覚え方」もこの連載では紹介しようと思っています。
例えば、RANKLは骨芽細胞が発現するリガンドで、RANKは破骨細胞にみられる受容体です。
うわ〜どっちがRANKでどっちがRANKLだっけ?
という受験生を私は多く見てきました。そんな受験生に送りたいのが以下の図です。
いかがでしょうか? 骨「芽」細胞の中に「L」があります。これでRANKLが骨芽細胞にあることが一発で分かるでしょう。
語呂合わせの作り方
さて、今回の本題です。
「語呂合わせを作れるようになろう!」
まずは魚ではなく、釣り方を伝授する。これが今回の記事の意図です。釣り方を披露した後、実際にこういう魚(=語呂合わせ、覚え方)がありますよ、というのを二回目以降に科目別で紹介していきます。
それでは早速、語呂合わせを作っていきましょう。実際に国家試験で出題された問題を使って説明しますね。
例えば「晩期死体現象は、①自家融解②腐敗③白骨化である」という知識を覚えたいとします。
誰かがこんな語呂合わせを作りました。
「晩期死体現象は“じかふはいはく”で覚える!」
誰もが「”じかふはいはく”って何やねん!」と言うと思います。そうです。語呂合わせにしたところで、「意味がわからなければ覚えられない」のです!
「晩期死体現象は“自家製フランスパン”で覚える!」
(自家融解の「自家」、腐敗の「フ」、白骨化の「は」)
こちらではいかがでしょうか?
「自家製」も「フランスパン」も意味が通じます。語呂合わせとしては及第点です。しかし、これでは「晩期死体現象」と「自家製フランスパン」が繋がりません。
テストのときに「晩期死体現象の語呂合わせなんだっけ…?」と考えこんでしまいます。そこで、こうします。
「最後の晩餐は“自家製フランスパン”」
(晩期死体現象の「晩」、自家融解の「自家」、腐敗の「フ」、白骨化の「は」)
「最後の晩餐」という、死のイメージが強い題材を「晩期」の「晩」とかけることで、
「最後の晩餐」→「晩期死体現象」→「自家製フランスパン」→「自家融解・腐敗・白骨化」
という流れが完成しました。これでテスト中に忘れても、思い出せるだけの“保険”ができました。
このように、語呂合わせのよいところは「忘れても保険として機能する」ことでもあります。
語呂合わせの作り方のまとめ
1.覚えたいキーワードを一覧化する
2.覚えたいキーワードの代表格といえる部分(意味がわかるギリギリのところ)を抽出する
例)頭文字、略称など。
Apert症候群→A、頬側→B、自家融解→自家 etc.
3.抽出した部分を使って、ネタとして再構築する
別にダジャレでなくても、知っていることであればなんでもOK。自分に記憶に残っている事柄だと覚えやすい。
例)一般名詞、固有名詞だけでなく、アルファベットなども可。
4.作ったネタを本来のテーマに沿うようにアレンジする
図や絵も描いておけばイメージがしやすくなります。
いかがでしょうか? ぜひ自分で語呂合わせを作ってみてくださいね。
次回からは、語呂合わせの例文を紹介していきますのでお楽しみに!
イラスト/室木おすし 図/宮本寛之